移動要塞狩り(30話前後の特別編)
引き籠ってモンスターを狩れる最強の環境を手に入れた俺。女神から貰った【オートスキル】で自動討伐をしていた。
「まさか、わたしの【建築スキル】でまた『移動要塞』を建てるだなんて思い切った発想ね、サトル」
「おう、メサイア。だって移動だるいじゃん」
木材と石さえあれば、メサイアの【建築スキル】で建物が建てられた。それを利用し、大量の材料を使って移動要塞を作った。材料を集める労力があったけど【オートスキル】で何とかした!
建物は勝手に移動し、俺の付与した【オートスキル】が勝手に発動してモンスターを駆逐する流れ。これで経験値も勝手に獲得し、勝手にレベルアップするって寸法だ。
「さすがサトルさんです!」
俺を膝枕してくれるリース。
頭上でたゆんたゆんの胸が揺れる。
最高すぎて、ずっとこのままでいたいぜ。
「兄様、顔がいやらしいですよ!」
厨房で料理をするフォルは少し膨れていた。
彼女は聖女でありながら格闘タイプ。
しかも【料理スキル】を極めている。
「フォル、俺の為に鍋を作ってくれるんだろう?」
「そ、そうです! 今、愛情を籠めて作っていますからね♡ もう少々お待ち下さい」
既に良い匂いが漂っていた。
これはまた牡丹鍋かな。
あのイノシシ肉は絶品だ。
あ~、腹減った。
「ねえ、サトル」
「どうした、メサイア」
「この辺りって……花の都に近い荒野フィールドよね?」
「ああ、多分な。超絶面倒だから知らんけど」
「本当面倒臭がりね。リース、何か知らない?」
メサイアは俺に訊ねるのを諦め、リースに情報を求めた。確か本が好きでよく地理とかモンスターの情報を調べてるって言っていたな。知ってるかもな。
「そうですよぉ。この荒野フィールドには、地属性モンスターがたくさんいます。中でもゴーレムは固くて、大きくて……凄いらしいです」
なんでそんなイヤらしい言い方なんだよ!?
そのゴーレムだが、俺の【オートスキル】である『血の煉獄』で燃やしまくっていた。ごうごう炎を撒き散らし、ゴーレムを討伐。
その度に経験値が入りまくっていたわけで。
【 1340 の経験値を獲得しました! 】
【 1340 の経験値を獲得しました! 】
【 1340 の経験値を獲得しました! 】
と、永遠に経験値をゲットしている。
お陰様で俺たちのレベルも随分と上がった。
「兄様~、お鍋できましたよー」
「マジか。よし、モンスターの討伐は移動要塞に任せて、俺たちは鍋を突くぞ!」
「「「おおお~~~!!!」」」
イノシシうめえええッ!!
肉汁がじゅわじゅわぁっとしやがって……なんだこれ、涙が出るほどうめぇ……!! さすが聖女フォルトゥナ。最高の料理を作ってくれた。
「すげぇぜ、フォル。お前と結婚したい」
「本当ですか!! すっごく嬉しいですッ、兄様♡」
うん、将来はフォルみたいな銀髪ぼいんぼいん聖女を嫁にしたいな。優しくて家庭的で……なんといってもスタイル抜群。
【Congratulations!!】
「お、また皆のレベルが上がったな」
今日も俺たちはほのぼのモンスターを狩っていく。最高の冒険だな、こりゃ!




