自分は。
嗤うなら嗤え、このガラクタを
貶すなら貶せ、痛い妄想だと
だって何を言われようとも思われようとも
今が変わるのか?
酒を買う金も無いまま
道端に捨てられた安いビール缶の残り一滴をかき集め
酒を飲む口も酔う脳すらも持たず
ただ無意味に地面にこぼしてその様をついていない眼球に映す
そのアルコールがこぼれ始めてから地面につくまでの短い時間が
自分だと
あふれ出るような喜怒哀楽の液も
それを湛えるハートの器も持たず
本能だとか昔作った命令文だとかがカチカチ回る
そんな「自分」の亡骸が
意味も持たず動く
そんな刹那に
「結論みんなただの因果なんだよ。価値だとか、意味だとかは所詮その因果の映す虚像でしか無いんだよ。」
そうただの事実を吐いて、飲んで、吐いて、飲んで
何度も吐瀉物と一緒に反芻したって
その虚像が真実に見えていた「自分」がいたんだ
今ではその宝石も死体も風化して
欠片だけだ
全く美しくない
それでも怪しく光ってたそこに
光ってたはずのそこに
進むのは自分の使命だ
死体がいつか起き上がって
歪んだレンズを取り戻すまで
ソレまでは唯々、唯々、
踏みにじって、踏みにじって、
潰したって、壊したって
今では見えないその光を
歪んだレンズに映っていたエゴイズムを
追い続けるだけだ
なぜならば
ソレこそが「自分」だと
ソレこそが使命だと
ソレこそが意味なのだと
今はただ
待つだけだ
自分の主の帰還を
ソレまでは見えない目を
必死に動かして
「意味の無い」行動を
ただひたすらに
積み重ねるんだ
我が主の参道に
そうやって今日もまた
歩き回っては
アルコールの欠片をかけあつめ
奈落へ捨てる日々を
そこに芽生えるものがありますように
願うならソレが我が主でありますように
何もかも死んだなら、心臓を銀色の雫が這うようなこの寒さもないはずだ
きっとこれは、残ったかけらの全力の狂騒なんだろ