第81話 神の遺志と5つの能力
新章開幕!そして神章開幕
2000年前、神代。
人間族が滅ぶ数時間前。
「絶対神様!このままでは人間だけでなく、我々も危険に晒されます!」
統率神ディ=バイズィが焦った様子で俺に報告する。
現在空には巨大な隕石が墜ちようとしている。
つい数日前にはこんな隕石は存在しなかった。
焦るのも当然だろう。
「分かっている。取り敢えず神界は俺が結界でどうにかなる。魔界はまぁどうでも良い。人間界はそうだな、あいつらに任せよう」
俺は統率神に指示を出し、5人の超級神族を動員する。
火焔神ドレイク=プロミナ、海王神シーラ=ネプツァル、風神シュヴァイツ=アガルタ、雷神ジル=グローリア、地界神バルファルク=ガザイア。
五側神と呼ばれる俺の側近だ。
俺はこの5人に全幅の信頼を置いていた。
彼等なら必ず人間界を死守出来るだろう、と。
しかし、人間族は全滅した。
五側神の死と共に・・・
「・・・人間諸共全滅したか。こっちの結界の維持で全く気付かなかった俺の落ち度か・・・」
俺は更地になった人間界を眺めながらそう呟く。
「絶対神様、人間族の全滅により世界の均衡が崩れ始めています。早急に人間族を創造しなければッ!」
創造神ザナラス=ユスタルは魔法を発動させようとするが、俺はそれを制止する。
「待て、少し時間をくれ。『絶対創造』」
俺の目の前に5人の赤ん坊が創造される。
「!こちらの赤ん坊は?」
「こいつらにはそれぞれ火炎、大海、暴風、万雷、大地の能力を与えてある。これを基軸に人間を創造せよ」
「その能力は!!」
「ああ、五側神、あいつらの能力だ」
「しかし、超級神族の能力受け継ぎは禁忌です!能力の制御が効かなくなる可能性が!」
確かに、超級神族の能力は強力な為、子孫を残す事を禁じられている。
万が一能力が器に合わず暴走したら大変な事になるからな。
だが・・・もう創造しちゃったし。
「創造神、お前が創造するのは無能力の人間で構わない。それで幾分か中和出来るだろう。だが、組合せ次第では能力に変化が起こる。俺は全権を大閣である最高神に委譲する。そして俺は転生する」
「!?本気ですか!」
「俺が居ては人間は自らを護る力を持たないままだ。神族無しでも生きていけるようになる為には、そうだな2000年位経てば安定するか?その時にまた俺は降臨する。それまではお前らに任せる事にした。これは決定事項だ」
「・・・分かりました。絶対神様がそう言うのであれば」
「まぁ、俺が居なくても最悪どうにかなるだろうし。そもそも俺自身能力の使用は滅多にしてないし、絶対神なんて居ても居なくても変わらんだろ」
「そんな事はありません!絶対神様が居なかったら・・・!」
大体他の神も同じような反応をするんだよな。
絶対神の能力を使っていない俺が、絶対神である必要はないのだが。
「まぁどのみち2000年経ちゃあ会えるだろ。じゃあ取り敢えず後は頼む。俺は最高神と引き継ぎを行う」
「あっ、絶対神様!・・・絶対神様」
そして俺は転生した。
五側神と呼ばれた5人の神族は後に人間達によってこう呼ばれた。
五崩神と。
今回はゼロが転生する経緯と五大能力の起源についての話でした。・・・こんな感じで良いのか?