第79話 神の眷属は冒険者になる
この話は閑話みたいなものなので少し短いです。
「ヴェレアスさ、冒険者にならない?」
「・・・我?」
俺はヴェレアスを連れて冒険者ギルドへやって来た。
俺と共に行動する以上、ヴェレアスにも冒険者になっていた方が都合が良い。
身分証明にもなるしな。
冒険者ギルドの中に入ると、エルカが俺を見つけるなり、深く一礼する。
「ゼロ様、お久し振りです!本日はどのような用でいらっしゃいますか?」
「俺の兄、ヴェレアスの冒険者登録だ」
「ゼロ様のお兄様ですか!分かりました。ではこちらの書類の記入をお願いしますね」
エルカが渡した書類は、俺が書いたのと同様、氏名・年齢・身分・能力の有無と能力名・属性を書く欄がある。
「ゼロよ、代筆を頼めるか」
「ああ、そっか。龍だからな。よし任せろ。氏名はヴェレアス=グランディオ。年齢は、どうしようか。15歳にしておくか。身分は平民で良いとして、能力ってあんのか?龍固有の奴とか」
「神龍となる前であれば、一応我は風竜であったな」
「風か、じゃあ狂飆にしよか。属性は風?」
「うむ、そうなるな」
「じゃあこれで良いかな」
俺達はエルカに聞こえないような会話を終え、書類を渡す。
「確かに受け取りました。それでは早速冒険者カードを発行致しますね」
数分後、冒険者カードが発行され、ヴェレアスは鉄ランク冒険者となった。
「そういや、俺とヴェレアス二人で依頼受ける時、俺のランクの依頼って受けれんのか?」
「通常では不可能ですが、パーティーを組めば可能ですよ。パーティー形成には幾つか手順がございますが、行いますか?」
「そうだな、じゃあ頼む」
「分かりました。ではパーティーについて説明しますね」
エルカはパーティーについて説明を開始した。
パーティーとは2人以上の冒険者で構成される。
パーティーにもランク付けがあり、鉄から金剛まで存在する。
しかし、鉄ランク冒険者はパーティーを作っても意味は無いし、金剛ランク冒険者はそもそもいないので、実質銅から白金である。
基本パーティーのランクはパーティーリーダーのランクに準ずるが、例外もある。
その為、パーティーのランクは各ギルドの判断に委ねられる。
しかしパーティーの重要度は余り高くなく、基本はパーティー名よりも個人名の方が通る。
その為か、パーティーの掛け持ちが許可されている。
「という感じです。ゼロ様は現在銀ランクですので、パーティーも同じく銀ランクになると思います。余り重要ではありませんが、パーティー名はどう致しましょうか?」
「パーティー名か・・・思い付かないから保留で良いかな?」
「構いませんよ。決まったらまたこちらにお越しくださいね」
「分かった」
こうして、俺とヴェレアスは名称未定のパーティーを組む事になった。
まぁ半年経ったら恐らくパーティーにルナやカーシャが入ると思うし、名前はその時考えるか。
ゼロは単独行動を好むのでパーティーの重要性を落としています。
パーティーあんま好きじゃない。
基本のゼロの思考は作者の思考を元にしたものなので。