第74話 神は帰省する
各出来事に日付けあった方が良いかな?
辺境伯邸を後にした俺は、実家に帰る事にした。
帰省って奴だな。
そう言えば、学園は夏休みに入ったらしい。
クラスの皆は王都の実家から通っているので、帰省とかは無いんだよな。
俺、終業式とか出ていないんだが良かったのか?
そんな事を考えていると、実家に到着した。
実家は変わらずボロい小屋みたいな家で、所々壁が剥がれている。
家の戸を開けると父が出迎えてきた。
「ただいま」
「おー、ゼロ!お帰り!久しぶりだな、向こうでは上手くやっていけてるか?」
「あ、うん。そうだな、男爵になった」
「へぇー、男爵に・・・って男爵ぅぅぅぅ!?ゼロ、貴族になったのかぁ!?」
「まぁ、そうだな。生活は今までと大して変わらんが」
「そうかぁ、貴族になったのかぁ。グズッ、大きくなったんだなぁ・・・(;つД`)ウォォォォォ」
号泣する奴見るの2度目だぞ。
父を落ち着かせた俺は、ここに来るまでにあった事を父に色々話した。
「ってな感じで今は冒険者をやっている」
「そうだったのか。息子がここまで成長してくれて俺は嬉しいよ(`;ω;´)ブワッ」
「・・・取り敢えずこのボロい家をどうにかしようかな」
壁は剥がれ柱は傾き、今にも倒壊しそうな家だ。
リュケイア辺境にある建物は老朽化が酷く、この家だけでなく、他の建物もボロくなっている。
地震でも起きたら直ぐに壊れそうだ。
「どうにかなる物なのか?この辺住宅が密集してて、解体するにも一苦労だぞ?」
「まぁ、ちょっと直して強化魔法掛けるだけだから」
俺は壊れていた壁や柱を修復し、強化魔法を掛ける。
「これで壊れる事は無いだろ」
「ゼロ、お前魔法使えるのか!?」
「そう言えば平民は魔法が使えないって話だったな。俺は使えるが」
「凄いじゃないか!お前はグランディオ家の誇りだな!」
久しぶりの家族との再開に、二人が暫く談笑していると、遠方から爆発音が聞こえた。
「!?何だ、爆発音か?」
俺が外に出ると、奥の森から煙が上がっている。
「魔物だー!」
「魔物の大群がこっちに来てるぞー!」
魔物の大群が来ているという言葉にパニックになった住民はあちらこちらに逃げ回っている。
「父さん!」
「分かっているよ。俺はここに居る。ゼロは安心して魔物をぶっ倒してこい!」
「ああ、勿論だ」
俺は爆発音がした方に向かって走り出した。
「ん?あれか?」
森の中から魔物の大群が街に押し寄せていた。
矢張りこれは魔物暴走だな。
俺は銃剣ラグナロクを手に思いっきり横薙ぎした。
「『弦月斬』」
向かって来る魔物が一斉に倒れるが、それでもまだ魔物が突進してくる。
「ッ!数が多いな。余りやり過ぎるとこの街が崩壊する。つかさっきの爆発音は何だったんだ?」
俺が森の奥に視線をやると、4足歩行で緑色の魔物が自爆しているのを見た。
「アイツか?!マズイ、こんな近くで爆発されたら・・・邪魔だ失せろ、『弦月斬』」
2発目の弦月斬をやるも、魔物は減らない。
兎に角街の外まで押し込まないとな。
「兄貴!大丈夫ですか!」
その声を聞いて振り向くと、セイル達3人を含め、多くの冒険者が集まっていた。
「セイル達か、丁度良い。この魔物止められるか?」
「勿論です兄貴!それで兄貴はどうするつもりですか?」
「俺は奥に突っ込む。魔物暴走の大方の原因は強い魔物の出現による物が多い。それを抑えない限りこれは止まらん」
俺の言葉にセイル達は納得したが、周りの冒険者が文句を言ってきた。
「おい、こんな奴に一人で行かせて良いのか?」
「そうだ!こんなガキより俺の方がよっぽど戦力になるぞ!」
『魔功火砲鋭襲衝征斬』
大地が切り裂かれる音に、周りの冒険者達は絶句する。
銃剣ラグナロクで切り裂かれた大地は一直線に森の方へ伸び、その線上にいた魔物は切り裂かれ、一本の道が出来る。
その道も魔物の大群によって今にも塞がれそうである。
「戦力になると思うなら、ここの魔物を止めてから言え」
俺は切り裂いて出来た道を高速で走り抜ける。
途中はみ出してきた魔物を切り裂きながら走り抜ける。
そして俺は爆発する魔物が多く集まっている所に到着した。
ク○ーパー