第64話 神と聖者の行進(讃歌)
建国祭が始まる
ルーヴァー暦2000年7月12日、遂に建国祭当日を迎えた。
俺とルナとカーシャは待ち合わせた場所に行き、合流した。
「ゼロくん、カーシャ、おはよう!」
「ああ、おはようルナ」
「おはようございます、ゼロ様、ルナさん。夕べはお楽しみでしたか?」
「?まぁそれなりに楽しかったぞ?」
「そういう事ではないのですが、ほらルナさんが真っ赤になっていますわよ」
ルナは平常心、平常心と顔を真っ赤にしながらぶつぶつ呟いていた。
その間に俺はカーシャにある質問をした。
「そういえばカーシャ、俺との婚約の話だが、よく親が了承を出したな。仮にも伯爵家だろ?」
「勿論父上や母上の了承を得ておりますわ!私にはゼロ様しかおりませんの」
『思心探覗』
うん、特にカーシャに目立った雑音は聞こえないな。
つまり、カーシャの言葉は本心だ。
だが何だ、この拭えきれない違和感は?
最近違和感を感じすぎてよく分からなくなってきたな。
感度が良いのも玉に瑕だな。
「そうか、それなら良いんだ。ほらルナ、行くぞ」
「( ゜д゜)ハッ!待ってゼロくん~!」
建国祭は華やかなファンファーレから始まった。
大通には人でごった返し、まるで取り憑かれたかの如く熱狂している。
ファンファーレが止むと、グランツ王国の国歌が流れ始めた。
我らグランツの民よ
我らグランツの民よ
神に齎されし聖域
我らはその能力で神を臨む
国家の安寧と秩序を
我らグランツの民よ
我らグランツの民よ
神に跪き頭を低れよ
我らグランツの民よ
滅びから生まれし者よ
五つの力が蘇る
我らは神の遺志を此処に継ぎ
神の能力を行使せよ
我らグランツの民よ
我らグランツの民よ
神の為に御身を捧げよ
我らグランツの民よ
グランツの山と聖なる川よ
神の恵みは幸となる
我らはその恩を心に刻み
民の幸福を顕現させよ
我らグランツの民よ
我らグランツの民よ
神の寵愛に感謝せよ
我らグランツの民よ
我らグランツの民よ
高貴なる神代の長
我らの全ては掌握される
親愛なる民は神の御子
我らグランツの民よ
我らグランツの民よ
絶対なる神を崇め讃えよ
国歌斉唱が終わり、国民からは大きな歓声が響き渡る。
それにしてもグランツ王国の国歌ってこんな歌だったんだな。
この曲って神代で音楽神が作った曲だな。
歌詞はアレだったけど。
さて、ここからは午後に行われる国王演説までは様々なイベントが開催される予定となっている。
俺達はそれを見て回りながら、教会の動きに警戒しておこう。
国歌の歌詞を考えるのに割りと時間かかった。
誰か曲を考えてくれ|д゜)チラッ