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神魔変転 ~転生した絶対神はその力で全てを超える~  作者: Absolute ≪ZERO≫/夢神零
第2章 衰国の冒険者編
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第60話 神は絡まれる

天の声 「自粛生活中ヽ(´ε`)ノ」


神 「働け」

冒険者ギルドを裏手に回ると、そこには食堂がある。


ギルドから近いという事で、多くの冒険者の行きつけとなっている、らしい。


俺はそもそも食事を必要としないので端から興味は無かったが、今回打ち上げという事でセイル、レノ、アルツと共にその食堂へと訪れていた。


中に入ると昼時という事もあって、多くの客が食堂を利用していた。


俺達は空いている席に着き、打ち上げを始めた。



「よし!今日は金があるし、一杯食べるぞ!」


「ちょっと!そんなに注文しても食べられないわよ!」



セイルが見境なく注文する様子を見て、レノは必死に止める。


だが、結局セイルが注文した料理を皆で分け合う事になった。


グランツ王国は海に面していない上、貿易も行っていない為、魚を使った料理は無く、肉料理が全般だ。


俺は机の上の料理を適当に食べる。


その間、セイルの武勇伝を聞かされたが、最後にレノから話が盛られているという指摘をされた。


だろうな。


こんな他愛もない会話の最中、周りの騒いでいた声も止み、突如静寂が訪れる。


人相の悪い若い男3人が、食堂の扉を開け、中に入ってきたのだ。



「何か急に静かになったが、あの男ら、何かあんのか?」



俺がセイルに尋ねると、セイルはびっくりして小声で答えた。



「わわっ、声が大きいよゼロ。あの3人は"恫喝の戦士(スレットウォーリアー)"、(ゴールド)ランクパーティーだよ。強いんだけど、僕達低ランクを蔑視してて当たりが強くてさ。こちらとしては関わりたくない相手なんだよ。この前も何人かが恐喝にあったって話だし、それに・・・」


「おいセイル、聞こえてんだよォ!」



セイルの言葉は男の怒号によってかき消された。


3人の中で最もデカく、ゴツイ鎧を着た男がセイルの胸倉を掴む。


恐らくコイツが"恫喝の戦士(スレットウォーリアー)"のリーダーなんだろうな。


・・・何だよこっち見て。



「あ?セイルゥ、お前また新しい奴入れたのか?懲りねぇなぁ。前の奴は俺達がたっぷり可愛がってあげたら、冒険者やめてやんの。全く学習しねぇなぁ」



そういえば前にセイルが一人やめたと言っていたが、コイツらの仕業だったのか。


学習してないのはお前らだろうが。



「リーダー、コイツも可愛がってやりましょうよ」


「そうだな。悪いなセイル、お前の新たな仲間も俺達が可愛がってやるぜ!!」



そう言うとリーダーと呼ばれる男は俺に向かって殴りかかってくる。


全く、遅いパンチだな。


俺は男のパンチを躱し、即座に足首を蹴る。


その男は蹴られた事によってバランスを崩し、俺の前で盛大に転ける。


その無様な姿に、恐らく虐げられてきたであろう周りの冒険者には嘲笑が見られていた。



「て、テメェ、ぶち殺してやる!」



リーダーの男が剣を抜くと、後ろの男2人も同じく剣を抜いた。


こんな場所で抜剣なんてしたら大事だぞ。


所詮、自分の立場と実力を過信してイキッている傲慢野郎だな。


実際、男の剣戟は雑だ。


よくこれで(ゴールド)ランクまで行ったものだ。


ああもう、一々相手するのが面倒だな。


剣を破壊してさっさと終わらせるか。


俺は神眼を発動させ、3人の剣をバキバキに破壊する。



「な!?俺の剣がぁ!」


「どうなってやがる!」


「クソっ!テメェ、何をした!」


「あ?見ての通り、魔法で破壊しただけだが?」



俺は神眼を敢えて魔法と言った。


流石に神眼で壊したとは言えまい。


それに、剣を破壊する程の魔法を使えるのは平民にはいない。


魔法を使う為の魔道具も、流石に剣を破壊するまでの魔法は使えないからな。



「ま、魔法だと!?」


「何故こんな奴が使えるんだ!」


「落ち着け、所詮魔道具か何かの類いだろ。じゃなきゃ平民に魔法が使えるか!」



うん、前提条件として俺を平民だと思っている時点でアウトだな。


まぁちょっと前までは平民だったけど、貴族になったお蔭で特に気にせず魔法を行使出来るようになったのはデカイな。


その点だけは国王に感謝だな。


その点だけだが。


さて、さっさと追っ払うか。


かと言って、こんな狭い所で戦闘なんかしたら周りの被害がとんでもない事になりそうだな。


うーん、仕方ない。


あまりやりたくは無かったが、貴族という立場を利用させてもらおう。



「魔道具なんか使ってないし、そもそも俺は平民だと一言も言ってないぞ」


「は?ていう事は、まさかお前は商家か?」



あ、そっちに解釈するのね。


まぁ俺は貴族らしい格好をしてないからそう捉えるのも無理はないか。



「はい、残念。貴族でした」



俺は上着に隠れていた名誉爵の章飾を見せる。



「そ、その章飾は・・・ま、まさか、名誉爵位!?」


「はい、正解。で何だっけ?可愛がってやるだっけ?平民如きが?烏滸がましいにも程があるぞ。分かったらさっさと失せろ愚民」


「「「ひ、ひぃぃぃぃ、し、失礼しましたぁぁぁぁ」」」



"恫喝の戦士(スレットウォーリアー)"の3人は泣きながら店の外へ逃げていった。


全く情けないな。



「「「うぉぉぉぉぉ!!」」」



え?何?


何で皆叫んでんの?



「有難うございました!スッとしました!」


「いいぞボウズ!良くやった!」


「いい気味だ!ざまぁみろ!!」



あー、皆アイツらに何かされていたのか。


やっぱり(ゴールド)ランクには逆らえないのか?


冒険者も大変だな(他人事)。


ってセイルどうした?


そんな所で土下座して。



「ゼロさん!僕を弟子にしてくださいいいいい!!」



へ?

冒険者は9割が平民です。残りの1割はゲールノーア学園の生徒です。

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