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神魔変転 ~転生した絶対神はその力で全てを超える~  作者: Absolute ≪ZERO≫/夢神零
第1章 ゲールノーア学園編
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第49話 神は王子の策に乗る

天の声 「三人称担当久しぶりの本編登場や!!」


ベラルーシ・ロシア連合国家「デェェェェェン」


天の声 「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」

イーゼルと話しているとルナとライトがクラブにやって来た。


ルナは朝とは違い心なしか清清しい表情をしている。


ライトにどういう事か聞いてみると、どうやらカーシャと和解したらしい。


どういう理由で和解したかはさておいて、ルナとライトが来た直ぐ後に五英傑の4人も入ってきた。


するとイーゼルが口を開いた。



「これで全員集まったね。ここにいる8人が僕の計画を知っている者達だ。これまで僕の計画は悉く潰されてきた。そしてゼロは名誉爵として王国の貴族となった。僕は王国から先手を取りたい。そこでゼロ、君には・・・冒険者になってもらおう」



イーゼルは俺に指を差し、そう宣言する。



「別にそれは構わないが、どういう了見だ?冒険者ならこの学園の方針で二年次になったらなるもんだろ?」


「そうだね、まずは冒険者について説明しよう」



イーゼルは冒険者について簡単に説明し始めた。


冒険者とは冒険者ギルドに所属し、依頼を熟したり魔物を倒したりする職業である。


冒険者は貴族、商家、平民誰だろうとなれる、正に夢のような職業だ。


この学園の方針としては二年次には貴族は冒険者に、商家は実際の現場で商業を学ぶ。


所謂実習訓練のようなものだ。


何故貴族が冒険者になるのかというと、社会での付き合い方だけでなく、自らの力で敵を倒す能力の育成を図るという目的がある。


そもそもこの学園の貴族の多くは騎士爵、将来軍に入って騎士となる者が多い為、こういう方針になったという。


そしてこの二年次では学園からの呼び出しがない限り、相互不干渉の立場を取る。


つまり、自己責任という事である。


その理由としては冒険者ギルドが国家に所属しない機関だからである。


国家とは違い独自の方針を取り、それに国家が干渉する事は禁止されている。


冒険者ギルドは各国に散らばって存在するので、一種の国際機関とも言えるだろう。


冒険者は実力主義、一切の身分を考慮しない。


そして冒険者は特例で国を越境できる。


依頼を熟す上で態々国が越境許可を出すのは面倒だからである。


このように冒険者は自己責任が大きいが、何者にも縛られず自由に行動できる職業なのだ。



「分かったかな?僕が言いたい事を」


「ああ、国からの一切の影響を受けない。それは例えその国の貴族であっても、だろ?」


「その通り。王国は君を支配下におけて満足しているだろうが、君が冒険者になれば誰も君を縛る事は出来ない。それに自由に越境出来るんだ。これ程素晴らしい事はないだろう。流石の王国もこれには対処できない・・・よね?」


「俺に聞くな。だが、確かにこの作戦なら王国は手出しする事は出来ないな」


「それに今君に冒険者になって貰うのは・・・恐らく年内に戦争が勃発する。戦時になれば力のある貴族も徴兵される。冒険者は除く、だけどね。それが王位継承戦の最高潮、僕はここで一気に決める。だから君には戦争に参加してほしくないんだ」


「成程、俺が戦果を上げる即ちイリスの戦果になる。そう言う事だろ?」


「ゼロ、姉上の前では呼び捨てないでよ?君ならやりかねないから。まぁつまりそういう事だよ」



イリスは開戦派、イーゼルは反戦派で分かれている。


イーゼルは恐らく開戦と同時に蜂起するつもりだろう。


ここまでイーゼルは武力で対抗しようとはしていなかった。


だが、ここまで来ると最早武力でしか国を変える方法が無いのだろう。



「まぁそう言う事ならその策に乗ってやるよ。ああ、それと」


「ん?何だい?」


「黒幕は枢機卿と宰相だ。この二人が国を牛耳っている。まぁ証拠は無いがな」


「!?・・・ゼロがそう言うならそうなんだろう。分かったこっちもそのつもりで動いていくよ」



ここでルナが口を挟んだ。



「え?何でこの二人が黒幕なの?」



ルナの疑問は尤もだ。


周りを見る限り分かっている人は誰もいないな。



「能力というものは解釈次第で大きく変化する。それこそライトの設計(デザイン)のように、一般的に生産系の能力でも解釈で攻撃魔法が出来るように。イーゼル、宰相の能力は知っているか?」


「詳しい事は分からないけど、確か天眼(クレアボヤンス)と言っていたかな?」


「そして、枢機卿の能力が信仰(フェイス)。どちらも抽象的な能力だ。この二つの能力を組み合わせ、大幅解釈をした場合、まぁ国を乗っ取るぐらいは出来るんじゃないか?」


「ちょっと待ってくれ、その理屈だとこの国の国民は・・・」



アルフレッドは声を上げる。


他の五英傑も気付いたようだ。


俺は無言で頷く。



「全く、この国はどこまで腐りきっているんだ。アルフ、レオン、ギオン、カイザーは公爵家としてこれ以上悪化しないようにコントロール出来ないか?」


「任してくれ」


「私達に任せなさい!」


「ちっ、しゃあねえな」


「ああ、任せろ」



4人はイーゼルの依頼にそれぞれ頷く。



「ルナとライトは最もゼロに近い人物だ。恐らくある程度は気付かれないだろう。だからゼロをサポート出来ないか?」


「うん!任せて!」


「分かったよ!」



ルナとライトも同様に頷く。



「そして、ゼロ。君は僕にとってのジョーカーだ。思う存分暴れてこい」


「何故俺だけ命令形なのか。まぁ元よりそのつもりだが」



こうしてイーゼルの国家転覆計画(クーデター)は最終局面を迎えた。

ゼロは冒険者になるようです。という訳で次回第1章完結します。

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