第47話 神は貴族になる
天の声 「貴族になるとかやっぱりテンプレやな」
作者 「黙れシベリア送りにするぞ」
天の声 「サーセン」
翌日、流石に何もしないと暇なので学園に行く事にした。
よく考えたら学園側は俺の叙爵なんて知らない・・・いや流石に聞かされているか?
よく分からんので取り敢えず向かった。
今こうやって学校に向かっている行動も監視されているんだろうな。
俺は自分の胸にある章飾を見ながらそう考える。
学校に到着し、教室に入るとルナが飛び付いてきた。
「ゼロくんおはよう!聞いたよ、名誉爵になったんだよね?」
何故知っている。
チラッとイーゼルの方を向くと、こっちを見てニヤニヤしている。
成る程お前の仕業か。
というかクラスの皆全員知ってるっぽいな。
「貴族になったって事は漸くゼロに対する平民差別が無くなるね」
確かにライトの言う通りだ。
名誉爵って事は俺は貴族なったという訳なんだよな。
まるで実感がないな。
「所詮名誉爵だろ?貴族でも底辺だから、対して変わらないのでは?」
俺の問いにはイーゼルが答えてくれた。
「貴族の最底辺は騎士爵だ。名誉爵は君みたいな特異な人が多いから、これは別枠みたいな物だ。実際、アスク先生も名誉爵だろ?」
ああ、アスク先生は神の子孫って事で名誉爵になったとか言っていたな。
それに、軍に入ると同時に騎士爵位が貰える。
つまり騎士爵位は比較的安易に叙爵される貴族位。
この学園もDクラスとかは殆どが騎士爵家だと聞いた。
まぁイーゼルが言うならそうなんだろうな。
「そういう訳で君を差別する人は少なくなるけど、あくまで少なくなるだけだよ。名誉爵位を与えられる人って大体元平民とかだからね。まぁこちらとしては君が貴族になったお陰で接しやすくなった訳だけどね」
周りのクラスメイトが皆頷く。
確かに貴族や商家からしたら差別対象である平民と対等に接する事は抵抗がある筈だよな。
「つまり、ゼロくんともっとお喋り出来るって事だよね♪」
ルナが俺に近付いてにっこり笑う。
なんか周りの女子から凄い嫉妬の目で見られている気がするが気のせいか?
「さて、ゼロよ。君は貴族の当主だからもうこの学園に来る必要が無くなった訳だが、どうするんだ?」
イーゼルが態と皆に聞こえるように問いかける。
「え?ゼロくんもう学校来ないの?(*´・д・)」
ルナが悲しげな表情を浮かべ、俺を見つめる。他の皆も驚いた表情をしている。
「まぁ、微妙だな。来てくれと言われれば行くが」
「来て!せめてクラブの時だけでも良いから来て!ね?」
ルナは俺に迫り懇願する。
するとイーゼルが口を開いた。
「そうだな。クラブぐらいは来てもらわないと困るな。現にクラブに入りたいという申し出が結構来ている」
そういや表向きはイーゼルが部長だったな。
「まぁ、クラブぐらいは行くよ」
「ほんとっ?良かったぁ(*´∀`)」
ルナが安堵したのも束の間、クラスメイトの一人の女子が俺の元へ寄ってくる。
「ゼロ様、私と・・・婚約して頂けませんか?」
「・・・ファッ?」
ライトの陰が薄い。