第41話 神は魔導祭で蹂躙する(敗北)
適当に一日おきに投稿してるけど、ストックがなくなったからヤバい。
~ゼロside~
さてと、どうしようかな。
剣聖のカイルは兎も角、自然のユルグが厄介だな。
人間にしては普通に強い。
まぁ環境神の子孫だから当然か?
取り敢えずなんか適当に魔法放っとくか。
『聖波動』
俺は全く魔法を撃つ素振りを見せず、ただ立ったまま魔法を発動した。
完全な不意打ちからの初見殺しだな。
「なっ、無詠唱で!?」
「しかも魔法陣を展開せずにだと!?」
おお、驚いている驚いている。
でもこの魔法の本質はコレなんだよなぁ。
カイルとユルグの周辺に目の前が白く映る程の光が突如として現れる。
「何!?くそっ!眩しい!」
「しまった!視界をやられた!カイル、警戒して!」
「んなもん分かって・・・」
はい、分かっていないですね。
既に俺が目の前まで迫って来てますよ。
どうするんですか?
どうしようもないですよね。
はい、終わり。
「ぐ、はっ」
俺はカイルの鳩尾に拳を入れる。
カイルは悶絶し気絶したが、まだ目眩ましは終わっていない。
「カイル!?くそっ!まるで見えない!」
そう言いつつ魔法陣を展開するユルグ。
まぁ自然にとって光は許容範囲内だし、下手な演技だ。
「『神籬』」
突如纏っていた光が吸収され、一つの魔法に収束していく。
「光は自然の理、僕が操れないとでも思っていましたか?」
「思っていたらこんな魔法設置してないだろ。足下見ろ足下」
「え?足下・・・!?何だよ、こんな魔法陣、いつの間に・・・!」
「『火炎柱』」
「ぐあっぁ!くそ、こんな炎、何故僕が操れない!ぐっぅ!」
「そりゃあ''自然物''しか操れないお前が''人工の炎''を操れる訳ないだろ」
「ぐっ・・・そう言う、こと、かぁっ・・・」
普通炎を出すには空気中に含まれる酸素が必要だ。
自然の能力は解釈次第でほぼ全ての物を操る事が出来る。
だが、全て人工で作られた物なら操る事は出来ない。
だから俺は炎という概念その物を出した。
炎という概念であれば酸素は必要ない。
何故なら炎は燃える物だからだ。
燃えるという事象だけを発現させた為、それに至る過程などどうでもいいのだ。
と、ユルグが気絶したな。
さてとイーゼルの方はどうなったかなと。
「『岩間圏』!!」
おっ、俺が教えた魔法だな。
だが、イリスが発動しているあの魔法・・・
俺が考えていると、イーゼルとイリスの魔法が直接ぶつかり、物凄い轟音と共に砂埃が舞う。
さらに衝突の衝撃で轟風も発生し、イーゼルとイリスの姿が見えなくなる。
そして砂埃が晴れ、立っていたのは・・・イリスだった。
「ふぅ、危なかったですわ。まさかイーゼルがあのような魔法を使うとは。貴方が教授したのでしょう?ですがまだ私の方が上手だったようですわね」
イリスが俺と対峙する。
横を見るとイーゼルが倒れていた。
恐らく気絶したのだろう。
「あら、そんな顔をしないでくださいまし。私達はもう闘う理由はありませんの。貴方方の大将はこのように討ち取りました。大将を討てばこの試合は終わりでしょう?そういうルールですわ」
その場には暫く沈黙が続いていた。
イーゼルは敗北した。