第40話 神は魔導祭で蹂躙する(姉弟)
魔導祭はこれを含めあと3話で終わる予定です。あくまで予定。予定は未定。
~イーゼルside~
「あら、私の相手は貴方なのね」
「・・・姉上」
イーゼルと第二王女であるイリスが相対する。
そして二人は同時に魔法陣を展開する。
「今回は・・・僕、いや私が勝つ!」
「威勢が良いのね。今まで一度も勝った事ないくせに。『大環地状』」
イーゼルの周りに石の柱が乱立する。
「くっ、『大地誕生』」
「貴方の魔法は相変わらず小さいわね。『大環地状・形態変化』」
グレートヘンジがイリスの前に動き、イーゼルの魔法を受け止める。
「まだまだ!『大地の怒り』!」
「無駄よ。貴方の大地では私の大環地状は破られないわ」
またしても動くグレートヘンジによってイーゼルの魔法が受け止められる。
その時、ゼロが戦っている相手の一人、ユルグが放った硝酸爆弾の余波がここにも届く。
「あらあら、あちらも派手にやっているわねぇ。それではこちらもそろそろ派手に行きましょうか」
イリスは足下に石の柱を出現させ、その上に乗る。
「貴方に教えてあげましょう。私の足下にも及びません事を。『蒼陽緋月』」
乱立していた石の柱がイーゼルに向かって倒れ出す。
「な、何だコレ・・・?」
イーゼルは必至に石の柱から避ける。
「あら、そっちに避けたらもう一本に当たりますわよ?」
「っ!」
イーゼルはイリスの声を聴き、間一髪で石の柱を避ける。
「あら、避けちゃいましたか。ではこれはどうでしょう。『隆起沈降』」
地面が隆起したり沈降したり、それに伴い石の柱も乱雑に傾く。
それはまるで地殻変動のような、混沌とした状況だった。
「ぐっ・・・クソッ!」
「これで終わりとは言いませんよね?ですが私ももう飽きました。だからこれで終わりにしてあげますわ!」
イリスは巨大な魔法陣を展開する。
それはゼロが準々決勝で使っていたのと同じ、大規模殲滅魔法だった。
「己の無力を思い知りなさい!『禁地滅邀』!」
イリスの放った大規模殲滅魔法がイーゼルを襲う。
「は、ははっ、全く、ゼロは一体何者なんだ・・・まさか、"この状況を読んでいた"とは・・・」
「何を言っているのです?」
「姉上は最初から手の上で躍らされていたという事ですよ。さて、ゼロから教えてもらったこの魔法、上手く出来るか・・・でも、やるしかない!」
イーゼルは隆起沈降を避ける時から仕掛け、そして今漸く完成した魔法を放つ。
「これが私の答えだ!『岩石圏』!!」
イーゼルの魔法がイリスに向かって放たれる。
「!?その程度の魔法、私には・・・」
「『岩流圏』!!」
「な、何を・・・!?」
「これで・・・完成だ!『岩間圏』!!」
イーゼルが放った魔法、それは三層且つ三段階に変化する魔法だった。
たとえイリスが一層目を防いだとしても、二層、三層がイリスを襲う。
そしてたとえイリスが一段階に対応しても、二段階、三段階の魔法がイリスを襲う。
則ち、初見では対応不可能の魔法という事だ。
そしてこの魔法が禁地滅邀を掻き消し、イリスに向かって放たれるのを見て、イーゼルは勝ちを確信した。
メソスフェアだけ共通の日本語が無かったので適当に作りました。もっといい日本語無いのかね。