第33話 神は魔導祭で蹂躙する(驚愕)
天の声 「何とか粛清されずに済んだわ( ・∇・)」
ロシア 「デェェェェェェン」
天の声 「ヒッ!Σ(゜Д゜)」
開始6秒で決着、普段なら終わりの合図をするであろう審判も目を丸くして固まっている。
「・・・( ゜д゜)ハッ!し、勝者、1年Aクラスッ!」
審判がそう叫ぶも、闘技場は静まりかえっている。
そして救護班が駆け付け、2年Cクラスの生徒は医務室に運ばれる。
「何だこの勝った気のない感じは?」
イーゼルが俺に向かってそう呟く。
「まぁ勝ったから良いんじゃね?」
「良くないだろ!ほら見ろ、魔法を撃った本人が唖然としてるぞ!」
イーゼルがそう言うのでアルフレッドの方を向くと、見事に固まっている。
「あー、、、」
「あと君が使った魔法、あれ合成魔法だろ?また消失魔法をホイホイと」
「ま、まぁ別に良いだろ」
俺は足早に闘技場から降りる。
「はぁ全く、君は一体何者なんだ」
イーゼルが放った言葉を俺は聞こえていたが、聞こえていないフリをして、控え室に戻っていった。
~王家side~
「な、何だったんだ今のは!?何が起こったんだ!?」
国王カイロスはこの状況を飲み込めていないようだ。
というか誰も飲み込めていない。
いや、一人を除いて。
ウィンドーラ宰相である。
彼だけはこの状況を理解していたのだ。
「陛下、恐らくは合成魔法です」
「合成魔法だと!?そんな事ある訳ない!消失魔法だぞ!?」
「ですが、最後に放ったあの魔法、明らかに火魔法と土魔法が合体していました。矢張りあれは合成魔法で間違いないでしょう」
「何だと!?消失魔法を使える者がいたとは。して、それは誰だ?」
「それが・・・ゼロ=グランディオです、平民の」
王家の観覧席は闘技場の上部にあるので誰が使ったかは分からなかったようだ。
それに6秒間であれだけの事が起こったのだ。
理解できなくて当然なのだ。
「平民だと!?冗談ではないのか?」
「いえ、ちゃんと私の天眼で確認致しました」
「天眼か、確かにそれなら間違いはあるまい。しかし、平民だぞ?能力を持たない平民が何故そのような所業を行える?」
「それは私にも分かりません。ですが、イーゼル殿下とアルフレッド公爵子息と共に代表となっておられるので、只者ではないかと」
「ウィンドーラ宰相よ、あの者を早急に調べられるか?」
「!?は、はい。直ぐに第三軍隊に指示します。」
ウィンドーラ宰相は驚いてその場を離れた。
それもその筈、国王カイロスが宰相の事を名前ではなく、ウィンドーラ宰相と呼んだのだ。
国王は公の場以外では余り呼ばない。
有事の際ではない限り。
~観客side~
観客は唖然としていた。
それはもう声が出ない程に。
始まる前、あれほど軽蔑していた平民が見たこともない魔法を使い、相手をたった6秒で全滅させたのだ。
驚くのも無理はない。
「まぁ、こうなる事は分かっていたよ、うん・・・」
ライトが観客席からそう呟く。
ゼロの事だから、きっととんでもない事をするだろうとは思っていたが、まさか6秒で終わらせるとは思ってもみなかったようだ。
ライトはこう言っているが、内心かなり驚いている。
「凄かったね、ゼロくん!でももう終わっちゃったね」
ルナが残念そうに言う。
ルナはゼロが闘う所をもっと見たかったようである。
「次までまだ三時間ぐらいあるからね」
この闘技場は闘技舞台が三つあり、一度に三試合行う事が出来る。
一回戦は六試合あり、それぞれ一試合一時間、次の準々決勝まで、昼休憩を挟み二時間ある。
しかし、ゼロ達が6秒で終わらせてしまったので、次までまだ三時間もあるのだ。
「そういえばルナの出番はこの間だったよね」
「そうだよ!ゼロくんを誘わなくちゃ!」
そう言うと、ルナは小走りで建物の中に入っていった。
~2年Cクラスside~
試合終了後、医務室に運ばれていた2年Cクラスの大将が目を覚ました。
「一体、何があったんだ・・・」
試合が始まってからの記憶がない。
というか記憶する間もなく終わってしまったのだ。
まだ他のクラスメイトは目を覚ましていない。
「・・・後で何があったか聞くか」
その後、観客席にいた友人に事の顛末を聞き、絶句するのだった。
次回はルナの裏☆魔導祭の様子をお届けします。
あと、魔導祭が終わったらキャラ紹介します。