第31話 神は魔導祭で蹂躙する(開会)
ゼロは10歳なのでそれ相応の身長です。ルナより低い。
時は経ち、魔導祭当日。
他のクラスはこの日の為に作戦立案やら特訓やらを行っていたらしい。
その際、他のクラスに探りを入れたり調査したりと、色々な情報戦争があったらしい。
しかし我々はあの日以来作戦説明や特訓を行っていない。
意図してやった訳ではないが、他のクラスにとって我々一年Aクラスは対策できない相手ととられているらしい。
そうイーゼルが言っていた。
さて、もうすぐ開会式だ。
国立闘技場に向かおう。
「あっ、ゼロくーん!こっちこっち!」
ルナが呼んでいる。
元気だな。
「おはよう、ルナ」
「おはようゼロくん!試合頑張ってね!」
「ああ」
魔導祭は二日に渡って行われる。
今日は準々決勝までやって、明日準決勝と決勝戦、そして三位決定戦が行われる。
因みに試合はトーナメント方式だ。
「そう言えば、裏☆魔導祭だっけ?あれ何すんの?」
「分からない、毎年内容は変わるから。去年は確か出店だったかな?」
「それにルナも出るのか?」
「勿論!今年は国王陛下も来ているらしいし、これに優勝したら王国の舞踏会に出れる権利が貰えるんだよ!国民だったら誰もが羨むんだよ!」
目を輝かせてルナは話す。
俺らはその国王陛下を潰そうとしている者なんですが。
「まぁ俺は舞踏会は遠慮したいな」
「何言ってるの?ゼロくんが優勝しても権利貰えるよ?」
・・・何ですと?
「というか元々優勝商品として毎年あるし」
・・・この話、俺聴いてないんだけど。
「ああ、そうだぞ。言ってないからな」
後ろからイーゼルが現れた。
心を読むな、心を。
「イーゼル、そう言う事は初めに言ってくれ」
「言ったら出ないでしょう?」
「出ない」
「だろ?」
「ゼロくん、私も優勝するから一緒に出よ?」
ルナが俺の目を見て、そう問う。
「・・・まぁ、ルナが言うなら」
「お互い頑張ろっ!」
ルナが俺の手を握り、屈託のない笑顔でそう言った。
「ああ、ってイーゼルどうした?」
「そう言うのは余所でやってくれ」
イーゼルがそう言うと、ルナは赤面して俺から手を離した。
「とりあえず、開会式に行くか」
「そ、そ、そ、そうだね」
「全く、気付いてないのは君だけか」
「?何の話だ」
「何でもないさ」
俺達は開会式の会場に向かった。
そしてついに、魔導祭の幕が上がる。
国王が開会の宣言をし、俺達試合出場組は控え室に向かった。
その部屋にはトーナメント表が貼ってあり、対戦相手が確認できるようになっていた。
それぞれの一回戦の対戦相手は以下の通り。
1A vs. 2C
1B vs. 3D
2A vs. 3C (シード)
1C vs. 3B
1D vs. 2B
2D vs. 3A (シード)
「最初の相手は二年Cクラスか。イーゼル、ゼロくん、作戦はどうする?」
「「ゴリ押し」」
「そう言うと思っていたよ・・・うん」
「まぁ真面目に話をすると、作戦は広範囲魔法で相手を一掃する」
「まぁ、それが一番だな」
「なあ、イーゼル、アルフレッド・・・」
「「どうした?」」
「相手煽って良い?」
「「却下」」
「アッハイ」
因みに今年の裏☆魔導祭は魔法弾幕の美しさを争う、でした。
ルナ頑張れ。
ゼロが出るんで魔導祭はサクサク終わりますね(フラグ)