第23話 神は王都を散策する(前編)
タイトルの神は○○するの○○のネタが少ない事に気付いた(´Д`)
※以前の内容をちょっとだけ変更しました。物語の内容に大きな変異は無いので気にしなくても大丈夫です。因みに変えたのは第0話と第4話です。物語の進行上都合が悪かったので。
翌日、ルナと決めた待合せ場所(と言っても学校の校門前だが)に行く。
まだルナは来ていないようだ。
しかし、本当に城と学園が一体化しているんだなぁ。
この城はグランセル=グランド城と言い、初代国王がその能力で造ったとされる王城だ。
王族の住居だけでなく、王国政治の中枢を担う王政省庁の全てがこの中に含まれているだけあって、その城の規模は非常に大きい。
まぁそれを囲むように造られた王都グランセルも割と広いが。
王都グランセルは周りを巨大な壁で囲まれており、四方に門が設置されている。
所謂城塞都市と呼ばれるものだ。
この王都も初代国王が造ったらしいが、何故このような形になったのかは不明だ。
しかし、明らかに他国からの侵略を防ぐような造りだ。
グランツ王国建国前に他国からの侵略があったかもしれない。
その当時の歴史が抹消されたから知る由もないな。
そんな事を考えていたら、向こうからルナが走ってきた。
「ごめんゼロくん、待った?」
「いや、俺も丁度来たところだ」
「そっか、なら良かった。それじゃあ行こっ!」
俺達は王都一の大通りである、グランツランド大通りに向かって歩き出した。
「それでルナ、何処に行くんだ?」
「ゼロくん、王都を散策するのは初めてでしょ?」
「そうだな、通過するだけで色々と見たことは無かったな」
「だから今日は私が案内しようかなって」
「成程、それは楽しみだな」
「じゃあまずは時計塔に行こーっ!」
グランセル=グランド城と王都塞壁を結ぶ通りの中央に時計塔がある。
東西南北の通りに設置されているため時計塔は四ヶ所ある。
今回は俺達が行くのは南門を結ぶグランツランド大通りにある時計塔だ。
この時計塔は一般人も中に入る事が出来、グランツ王国の観光名所の一つである。
時計塔の頂上からは王都の四分の一を見渡す事が出来る。
「これで四分の一か、王都って割と広かったんだな」
「店の手伝いで配達する事があるんだけど、端から端まで行って凄く大変だったんだよ~」
「店といえば、ルナの家は装飾店だったな」
「うん、城の装飾とかはうちがやっているよ。主に宝石、星光の能力は宝石と相性が良いから。そう言えば、ゼロくんって剣持ってる?次の教練で使うよね?」
まぁ持ってるっちゃあ持ってるけど・・・
あれは神の姿の時じゃないと使えないし。
使えたとしても神器はマズいよなぁ。
「・・・持ってはいるが実家だな」
「そうなんだ。私は持ってるよ!」
そう言うとルナは鞄からキーホルダーを取り出した。
「キーホルダー?」
「私達商家や貴族は自分の剣をキーホルダーとして持ち歩いているんだよ。密疎魔法で小さくして、必要になったら大きくするんだよ!」
密疎魔法
物の大きさを変える事が出来る魔法か。
でも持ち運ぶなら空間魔法の異空間収納で良いのでは?
・・・消失魔法か。
無いって事はそう言う事だよな。
「ゼロくん、持ってないなら私良い店知ってるよ。私の剣もそこで買ったんだよ!行こ行こっ!」
俺は手を引っ張られて時計塔を出る。そして剣を売っている店にやって来た。
「いらっしゃぁい。おっルナちゃぁん、今日はどうしたのぉ?」
「ゼロくんの剣を買いに来たんだよ!」
「初めまして、ゼロ=グランディオです」
「こちらこそ、私はここの店主のビリアンだよぉ。君は商家かねぇ?」
「いえ、平民です」
「平民かぁ、安心しな。ウチは他と違って誰であろうとちゃぁんと売るからねぇ。さぁどれでも好きな剣を選んでねぇ」
「ありがとうございます」
辺りを見渡す。
確かに色々な剣があるがどれもパッとしない。
見た目は良いがどれも強度が低い。
「すみません、もっと強度のある剣はありますか?」
そう言うと店主のビリアンは顔を顰めた。
一応ビリアンは男性です。女性っぽく見えるのは俺だけだろうか?