第14話 神は創部する(前編)
当然ですがMPSはGPSのパクりです。
僕は商家のブラント=ヘス。
修繕の能力を持った修理屋の息子だ。
今日は初のダンジョン攻略で、パーティーで戦闘中に壊れた武器を直したりしながら戦ってきた。
今は最後のクラスメイトを待っていた時で、丁度今帰ってきた。
彼は平民でゼロ=グランディオという名前だ。
平民だけど能力測定で物凄い数値を出した人だ。
「途中で壊れたんで数字バグってますよ」
あー、壊れたのかぁ。
こういう魔道具の修理はうちでやることになっている。
修繕の能力の一つに観察眼というものがあり、見るだけでどこが壊れているのかが分かる。
僕は早速観察眼で見てみた。
「(あれ?どこも異常がないな・・・)」
僕は焦った。
僕の観察眼が鈍ったと思った。
でも何回見ても壊れている部分が見当たらなかった。
「MPS・・・本当に壊れていたのか?」
このMPSはもうすぐうちに修理を出す筈、その時に確かめよう。
―放課後―
この学園のカリキュラムは午後に一時間分しか無い分、放課後に行われるクラブ活動は非常に盛んである。
二年生は冒険者となり学園の外に出ているので、三年生による勧誘が激しい。
だがクラブ活動一覧を見ても俺にとって目ぼしい所は無い。
別に無所属でもいいという事なのでそうしようかなと。
そもそも平民の俺を入れたいというクラブなんて無いだろ。
話は逸れるが、このゲールノーア学園の制服にはバッジをつけており、貴族印と商家印がある。
勿論平民にそんなバッジはない。
つまりバッジを見ればどの身分かは一目瞭然である。
「ゼロくん!何処のクラブに入るか決めた?」
SHRが終わり解散した直後、ルナがクラブ活動一覧の紙を持って俺に訊いてきた。
「いや、特に目ぼしい所は無いからなぁ。それに俺は平民だし、入れてくれるクラブなんてそうそうないだろ」
「そんな事ないと思うけどなぁ。確かに平民だけど、ゼロくんは史上最年少で合格してるんだから、評価してくれる人もきっと居るよ」
史上最年少・・・そういや俺まだ10歳じゃん。
神族に寿命はあっても年齢はないようなもんだから、すっかり忘れてたわ。
なんか色々年齢制限に引っ掛かりそう。
「そもそもクラブのレベルが低すぎて俺には合わん」
「それなら、自分のクラブを創ってみたら?」
「ん?クラブって勝手に創れたっけ?」
「部員三人と顧問が必要だけどね。ゼロくんが創部するなら私も入るよ!」
「んー創部かぁ。悪くはないがどんなクラブにしようか。それと三人目の部員と顧問だな」
『ふーん!話は聞いたぞ!』
急に閉まっていた教室のドアが開き、アスク先生が入ってきた。
「面白そうな話をしているじゃないか!創部したら是非私が顧問を務めよう!」
「唐突ですね、でも良いんですか?」
「構わん!私は他のクラブの顧問ではないからな!」
「有難うございます。それじゃああと一人の部員は・・・ライトでも誘うか」
数分後
「え?ゼロ、創部するの?」
「ああ、それで部員一人足りないから、ライトでも誘うかって」
「成程ね。それでどんなクラブなんだ?」
「決まってない」
「決まってないのか!」
「それを含めてライトに聞きに来たから」
「まぁ僕もどのクラブに入るか決め倦ねていたし、折角誘ってくれたから入るよ!」
「有難うライト。さて一番の問題はどんなクラブにするかだな。皆何か案ない?」
「ゼロくんは魔法強いし、それに関連するクラブとかどうかな?」
「あり。既存の魔法クラブはレベル低いし」
「あのクラブ一応国家最高峰の魔法クラブなんだけどなぁ。ゼロと比較すると凄さを失うな」
「何で態々攻撃魔法クラブとか防御魔法クラブとか分かれてるんだよ。一つで良いじゃん。という訳で名前は''統一魔法クラブ''で良いかな?」
「「賛成」」
当然他の魔法クラブからクレームが来た事は言うまでも無いが、顧問がアスク先生なのですんなり許可を得れました。
ゼロはまだ10歳です。