第13話 神はダンジョンから帰還する
基本神族は親しい関係でない限り名前で呼びません。
あと、神の数え方は柱ですが、面倒なんで人間と同じにします。
不死神リ=ヴァイヴ。
不死の能力を持ち、自分を含め任意の相手を不死にする。
正確には生を奪うといった方が正しいだろう。
生を奪われた者は必然的に死の概念を無くす。
故の不死。
話は変わるが、神には貴族のような階級が存在する。
階級は魔法と似たようなもので、下級、中級、上級、超級、絶級の五つに分けられている。
階級が上がれば上がるほど人数(柱数)は少なくなり、絶級は絶対神のみの階級である。
またそれぞれの階級にはそれぞれの紋章があり、体に刻まれている。
神によって紋章が刻まれている場所は異なるが、紋章を見ればどの階級か分かるのだ。
因みに、不死神リ=ヴァイヴは上級神族で首に紋章がある。
俺は不死神に幾つか質問しようとしたが、先に不死神の方から俺について聞かれたので、今までの出来事(といってもそんなに多くはないが)を話していった。
「ってな訳で今の俺はゼロ=グランディオとして生きてる。くれぐれも人前で絶対神とは呼ぶなよ」
「分カリマシタ、ゼロ様」
「んで、こっちからの質問だが、俺が転生した後ってどうなった?」
「ハイ、実ハ・・・」
俺の転生後、俺が能力を与えた人間は国を作った。
だが、人間族は俺が生んだ5人しかいなかった為、創造神が人間を大量に創造した。
しかし、神族もかの隕石によって下級、中級神族が壊滅し、上級、超級神族は元々数が少なく、神族は絶滅の危機に瀕していた(不死神のような死なない神族は別として)。
なので神族は人間との子供を作る事にした。
人間との混血ではあるが、神族の能力は保持された。
軈て神族の殆どが消滅し、この世界には人間族が中心となった。
「・・・ト言ウノガゼロ様ガ転生ナサッテカラ200年迄ノ出来事デス」
「成程、それで?その後は?」
「スミマセン、コノタイミングデ我ガココニ住ミ始メ、一度モ外ニ出テイナカッタノデコレ以上は我ニモ・・・」
「あぁその時からここに居たのか。ここの上、魔物の巣窟になってるけどいいの?」
「我ハ暫クココカラ出ルツモリハ無カッタノデ・・・放置デス」
「まぁ俺らが狩ってるし、問題はないな。っとそろそろ一時間経つな。んじゃ俺は帰るわ。何かあったら念話してくれ。座標は特定したから瞬間移動で来れるし」
「ハイ、分カリマシタ。ゼロ様モオ気ヲ付ケテ」
「ああ」
消失魔法。
我々神代の世界に存在はしたが、この現代では使用不可能な魔法の事を指し、念話や瞬間移動がこれにあたる。
元々神族や魔族専用なので人間が使えないのは当たり前だ。
俺は階段を上がり、23階層まで空けた穴から浮遊魔法で上まで上がる。
そういえば不死神の他に生きている神はいるかと聞きそびれたな。
まぁ後でいいか。
そして俺が遺跡から出ると、既にクラスメイトは集まっていた。
「あっ!ゼロくん帰ってきた!ほら私の言った通りちゃんと戻って来たでしょ!」
「なんだ、俺が戻ってこないと思っていた奴がいたのか?」
「まぁ、僕とルナとイーゼル以外はね」
「イーゼル?なんだライト、いつの間に下の名前で呼ぶようになったんだ?」
「ああ、ダンジョン攻略中にね」
「こぉらぁ!平民!駄弁ってないでさっさとMPSを返さんか!」
そういやMPSって確認されるんだったな。
24階層示してるけど・・・壊れたって言うか。
「途中で壊れたんで数字バグってますよ」
「何!?・・・24、確かに。で実際は何階層まで行ったんだ?」
「序盤に壊れてたんで何階層かなんて覚えてませんよ」
「・・・まぁMPSが壊れる事はままあるから仕方ないな(一階層扱いにしてやろう)」
「(MPSなんて壊れる事なんて無いんだけどな)」
MPS、我々から出ている微細な能力波を読み取って自分の位置を知らせる魔道具だ。
元々MPSは我々の時代に作られている。
神代と現代では技術差が大きく、神代の方が圧倒的に発展していた。
本当はMPSはマイクロポジショニングシステムの略で超微細な能力波でも読み取る事が出来るのでそう名付けられた。
そもそも能力波には魔力波と神力波があり、神力波は我々神族しかない上、製造に神力が使われているので壊れる事なんてそうそうない。
だから''マジック''ではないのだ。
そこの所は現代の技術力がショボかっただけである。
こうして無事(?)三時間目を終えたゼロであったが、このやり取りを聴いたある生徒はこう不審に思っていた。
「MPS・・・本当に壊れていたのか?」
神代の技術レベルは現代日本くらいです。神やベェ