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いち

のぞみは殆ど何も持ち合わせていない平凡な一般人なので人生に何らかの吉兆が射すということは全く考えることが出来ない。神でも仏でも悪魔でも天使でも良いのでこの閉塞感を打破してもらわないことには生きること自体が非常に困難だ。しかし持たざる者の他力本願ほど叶わない願いもないだろう。しかも発達障害というおまけつきだ。多くの薬を服用し二次障害を何とか封じ込め、やっとのところで生きている。実に不幸だ。欠勤した日は過剰に自分を責め、会社での立場も社会での立場も揺らぎそうな感覚に常に苛まれている。真面目に真剣に、この生きづらさをどうしてよいものかと悩みながら毎日を過ごしている。実に不幸だ。不幸極まりない。


素晴らしい月夜の夜だった。のぞみは羽田発シンガポール行きのANA便のビジネスクラスで優雅な旅を楽しんでいた。社会人になって以降、航空ファンになってしまった。ビジネスクラスもマイルを使ってアップグレードしたものだ。のぞみは下手くそなくせに株取引が大好きであろうことか信用取引で投機に手を出すものだから随分な借金を抱えていた。現在の世の中、借金は多少しても借り先がまっとうであれば生活水準を落とさず生きていける。ただ心のどこかで消えることのないわだかまりは抱えていた。どうしてこうも人生が上手くいかないのであろう。



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