・ランキングに載るのは恥?
昨今、『なろう』のランキングに名前が載る事を恥ずかしいと感じる人が増えているようです。
一昔前まではランキング入りを目指す人が多くいたのですが、今では徐々に減っていき『載っちゃったよ……』と考える人が一定数存在しています。
それは何故なのか? 私は考えました。
考えに考え、思考の全てを投入して答えを導き出そうと尽力し、眠くなったので発言した当人に聞く事にしました。
曰く、『今のランキングの傾向として、低品質だと評価されたも同義だ』
曰く、『自分の文才の無さが浮き彫りになった』
曰く、『恥ずかしい恥ずかしい。いなくなっちゃいたい』
私は言ってやりました。
『おいおいちょっと待て』と。
『それは他の作者様に対して失礼ではないか』と。
『そんなこと言って、本当は嬉しいんだろう』と。
するとその方は下がり切ったテンションのまま、
『はあ……この恥ずかしさはランキングに載った事がない奴には分からないよ』
「あ、あるしっ! 私だってランキングに載った事ぐらいあるしっ‼」
『どうせ『連続投稿』してポイント稼いだんだろう?』
私は沈黙しました。
すでにお分かりかと思いますが、その人物の性格はあまり良くありません。
賛否両論あると思いますが、趣味の執筆についてはとてもストイックな方なのです。
そのような人物に『気になるならランキングに載っている他の作家にメッセージ飛ばして聞いてみろ』とまで言われてしまいました。
どうやら仲間内では常識となっているようです。
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内容も無いような作品を評価する駄読者に評価された。 もうダメだ。
ランキングに載っている作品の中にも良い作品は確かにある。
まったく嬉しくないかと問われれば少しは嬉しい。
でも、ランキングに載った時点で一緒くたにされる。それが恥ずかしくて嫌だ。
墨汁にコーラを一滴垂らしても変わらないだろ?
『なろう』のランキング=恥の対象。 お前以外には絶対言えねえよ。
↑
これを言われた時、ちょっと嬉しかった
----------------------ーー※マイルドに表現しています
ちなみに『連続投稿』というのは一日に複数話投稿する手法を表します。
これは有名な話ですが、ポイントを稼ぐのにもっとも有効なのは投稿初日。一日で七話ほど、キリが良いところまで『一気に』投稿する事で、作品の味を読者に知ってもらおうというやり方です。
蛇足になりますが、まだ二話や三話など投稿数が少ない作品がランキングに載る場合、それは今後の期待値であって、正しく評価値ではありません。
小説の冒頭だけ読んで『こ、これは名作だッ‼』なんて評価する人はいないでしょう?
つまりはそういう事です。
少し脱線しました。話を戻します。
その人物の事は置いておいて。
重要なのは今のランキングに載る事は、良い作品を目指し、書きたいと思っている人にとって不名誉になりつつあるという事です。
もちろん、これは一部の価値観によるものでしょう。
全てがそうとは断言できません。
ですが、そうとらえる人が一定数いる事も事実です。
これは読者層の偏りによる弊害なのだと予想してみます。
素人が多い自由投稿サイトであり、読者はその中で取捨選択し評価する。
人によっては小説とも呼べない作品が評価され、そうでない物が埋もれていく。
良い作品って何だろう?
本来誇らしい筈のランキング入り。それが素直に嬉しいと思えなくなる出来事でした。