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6.小さな手に

「多恵さん、多恵さん……」


 わたしは、小さな手に揺さぶられていることに、うすぼんやりした意識のなかで、嬉しさを感じていた。


 --帰ってきた……


 そんな心地になり、胸がいっぱいになる。身体の中心がぽかぽかとあったかくて、こころなしか、わたしの手も、ぽかぽかと、あたたかい。


 穏やかで、心地よい、ユキの居る世界。


 わたしは、そっ、と、目を開ける。


 そこには、やわらかい笑みを、浮かべた ユキのちいさい顔があった。ふっくらとした、まろみをおびた頬が、燃え立つようにやわらかく染まる、血色の良い頬。


 ユキの黒目勝ちの円らな瞳が、生き生きとした光を煌めかせているように見えた。喜色満面の笑みをユキは私に向ける。


 ――なにか、良いことでもあったのかしら?


 わたしは、そっ、と、ユキに語りかけた。


 「……ユキ?どうしたの?なぜ、そんなに、嬉しそうにしているの?」

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