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57.動き出した歯車を止めたいのですか?それとも、


 ふらっと、わたしは、立ち上がると、ホテルの部屋へと戻り、全ての荷物を纏めた。


 もう数時間もすれば夜が明ける。


 ここをチェックアウトして、行く場所をわたしはもう決めていたから。


 **


 眼を閉じながら、ずっと話していたから、まるで、そこにわたしが、居たような気分になった。


 わたしは、そっと、目を開ける。


 そこには、不安げに見つめる、小さな顔。


 ユキ。


 わたしの愛しい子。



 ユキが入れてくれた苦いコーヒーに口をつけて、じっと見つめた。


 「……ここまで。聞いてくれてありがとう。ユキ。わたしは、やっと見つけた。……君には、君だけには、その意味が解るだろう?……ごめんね、そして、本当に、ありがとう。もう、わたしは、大丈夫だよ」


 ユキは、大きな目にいっぱいに涙をためて、きゅっと口をつぐむと、顔を俯ける。


 ぽた、ぽたっ、と、ユキの大粒の涙が、ユキの小さな白い手にいくつも零れ落ちて、ユキの黒いチュニックのスカートに小さな丸い滲みをいっぱいつくる。


 **

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