表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/89

56.それは、もしかしたら、子供の為の箱庭だったのかもしれなくて


 --今思うと、あの頃のわたしは、なんて幸せな空間に守られていたのだろうと、思う。


 すべてが、幻影だったのかもしれないのだ……。


 ……よく考えてみれば、わたしの顔は、父にも、……そして、蝋人形の母の顔にも()()()()()()()


 --(……かみさま、ほんとうにそんなものがあるとは思ってはいないけれど……でも、もし、ここに居て、このわたしの現状を目にしているとしたなら、……あなたは、わたしを、笑いますか……?わたしは、もしかしたら、ひどい、……とても、ひどい、勘違いをしていたのかもしれません)


 ……何故、父は、わたしを幼いころから、女性のようにしつけ、


 ……何故、母は、自らの部屋に箱庭のようなそこに、自ら軟禁されるような状態で、わたしを一目も見に来ない?


 ……そして、何故、父は、あのような蝋人形を手元に置いていたのか?あの顔は遠目から見た、母の顔に瓜二つで。


 ……けれども、父は、わたしの顔を、まるで、母のようになると……嫌がる


 生気を吸っていくようだとわたしにあたろうとするのか



 ひとつひとつのピースを父の表情を思い返しながら、あてはめていく。


 いくつも。いくつも。


 ……そうして、見つけた答え。


 ……それは、あまりにも残酷な、答え。



 **

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ