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46.偽物(2)

 

 機械仕掛けの人形が、ぎくしゃくと身体を動かすような動きで、わたしは、恐る恐る、後ろを振り返る。


 喉はカラカラで、心臓は、バクバクと煩く鳴っている。


 --そして、わたしは、ぎょっとした。


 わたしの後ろには誰も居なかったのだが……、ベットの上に小さなブリキの人形が、転がっていたからだ。


 ……それ、は、あの、子供の頃、わたしが、肌身離さずいつも持ち歩いていた、『ユキ』。


 『ユキ』、と、名前を付け、いつも一緒にいた、女の子の姿のブリキの玩具、だ。


 彼女は、あの頃、子供の頃と変わらない、可愛らしく、そしてどこか優しく穏やかな表情が描かれている顔を上向きにして、ベットの上に転がっていた。


 --ただし、あの頃、子供の頃とは似ても似つかない、……煤で汚れた姿のままに。


 **

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