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44.ノック
――調べようもないことをなに思っているのだか……。
わたしは、頭を抱える。
怖がって、このようなところに閉じこもっているというのに。
顔をあげると、どこもかしこもきちんと整えられたホテルの部屋。
ぐっ、と唇を噛んで下を向く。
ーー「……こんなこと、……考えたって、仕方ないのに、な」
ふらっと立ち上がり、崩れるようにベットに沈み込む。
意識が沈み込むように、そのまま深い眠りに引きずられる
深い闇に引きずり込まれるように意識をうしなおうとした直前、
コツコツコツ、と、特徴的なノック音が、した
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