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43.夜と窓
--ちらちらと、目の奥に消えない あか
--わたしは、叫びだしそうになりながら、顔を上げた。
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締め切った窓。
窓を開けることが出来ない。……それは、あの日からだ。
……不可解な、火災、不可解な父の死。
--そして、過去の母の箱庭の火災…
……わたしは、怖かったのだと思う。
……あの父の死は何を意味するのか。
あの火災は、火を意図的につけられたとしか思えなかった。
父が、過去、なにを行ってきたのか、わたしは、知らない。
--母を長年、軟禁し、母は、消えた。--そして、父の不可解な死。
……母が消えたその日から……否、その以前から、……わたしが、ずっと目を背けてきたもの
--わたしは、もう、……知る必要が……ある