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40.二度目の
……母の時と同じような光景
ただ一つ違うのは、父は、間違いなく、残されていた、ということ
--母の時は、骨すら見つけられなかったから。
わたしは、火事の中、必死に消火が行われている自宅を呆然と見つめ、すべて消化されたあと、消し炭のようになった父のかけらを見つめ、……その場に立ちすくんだ。
……母の時は、わたしがまだ幼かったこともあって、わたしは、今回初めての警察からの事情聴取を受けた。
……家には、父とわたししかおらず、父の変死にわたしが関わっているのではと当然のように疑われている。
家は全焼した。
わたしが閉じ込められていた、離れにある倉庫はまるで、そこだけ切り取ったように、その手前で炎は立ち消えている。家の周りを覆っていた、白百合が育てられていたハウスや、家の周りを覆っていた木々は、全て消し炭になってしまっているのに。
……まるで、すべて、初めから、そこに家など存在しなかったように。
縁取ったように黒く焦げていた…
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