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37.瞳にうつる影

 わたしは、……父から、今、やっと、認めるなら、……やはり、虐待を受けていたのだろう。……けれど、わたしは、ずっと、認めたくなかった。わたしは、愛されているのだと、……思い込みたかった。父や、母は、……本当は、わたしを愛しているのだと、考えたかった。……希望を持っていた。……それは、何故か?寂しかったから?……否、違うと、わたしは言う。


 ……わたしは、ある意味で、うぬぼれていたのだ。……そして、驕っていた。


 ……父や、母の気持ちを一番に解り、理解することか出来るのは自分だと考えていたのだ。ある意味において、わたしは、父や、母に同情的だった。上から見ようとし、可愛そうな人なのだと哀れもうとした。わたししか、彼らに愛情というものを教えてあげられる存在はないのだと、うぬぼれ、勘違いをしていたのだ。


 ……今、思うと、わたしは、共依存のような心理状態に陥っていたのだろう。


 ……わたしは、虐待を受けながらも、決して、逃げようとはしなかった。



 ……父が時折、見せる、狂気の前の、苦しそうな、懺悔を思うような一瞬の表情を見つけ出しては、父もまた苦しんでいるのだ、この行為は、発作のようなもので、父の本当に行いたいものではない。いつかそのような父ではなくなってくれる、と……愚かにもわたしは、信じていた。


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