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34.存在のたしかさ
わたしは、そっ、と、目を閉じて、目の前の情景をせめて、みるものだけでも、消そうとした。
……これが、わたしの思い描いていた幻影だとしても、そこに浸りたくとも、
……その存在が、たしかなもの、では、ないのならば、
わたしは、知らなければならない
気づけなければならない
そして、本当の意味で、わたしを、納得させなければならない
……それが、わたしが、やり残してきたもの
……それは、わたしの後悔だらけの人生の中での、一番最大の、後悔、で
……そしてそれは、わたしの中での一番必要な、自分に対しての誠意