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15.黄泉わたり(4)

 わたしは、靄につつまれた視界に居るような気にいつの日かなりつつあった。


 否、視界はクリアだ。……そして、わたしの頭の中も、……きっと、これまで以上に。


 ……けれど、わたしは、認めたくなかった。靄につつまれた視界に居るような気になりたかった。


 ……わたしは、正気になりたくなかった。


 **


 「たーちゃん、最近、やわらかな表情をしているわね」


 母は、わたしの額をやわらかな手のひらで撫ぜる。


 肌がすれ、触れ合う度に、わたしは、ひどく心もとない感覚に襲われる。


 ……それなのに、それが、ひどく、嬉しい こころが、ほのかに浮き立つように思えて、わたしは、きゅっと、眉尻をしかめた。


 くっと、こころにやわらかなひずみがうまれるように思える。


 


 

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