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11.あきらめたもの?

――「……あきらめたものが、もし、あるのなら、それをまた見つけ直せば良いのだと思います」


 わたしは、思わず、目を見開いて顔を上げた。


 そこには、ユキの小さな顔がある。彼女はどこか、達観したかのような瞳でわたしと対峙している。


 わたしは、急にわたし自身が、『はじめ』に落されたような錯覚をえて。


 すーっと、世界が水にそまる。


 わたしには、ユキの、ユキしかみえない。白く浮き上がるユキしかみえない。


 わたしは、せなかから、おちていく。沈みこんでいく。


 こぽこぽこぽこぽ……


 わたしは、わたしは、みずのなかにおちて



 ――「……あきらめたものが、もし、あるのなら、それをまた見つけ直せば良いのだと思います」



 わたしが、その最後にみたものは、ユキの達観したような、どこまでいっても黒の


 すいこまれそうな、 のようなひとみだった。



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