第4話 構築完了Ⅰ
冬夜「うおおおりゃあああ」
恵子「(何叫んでるんだろう)」
冬夜は慎重かつ急いで本に書き足していく。
恐らく、これが完成すれば何かが変化するだろうと踏んでいるからである。
何かが・・・。
冬夜「よし!できた!」と約3年かけてようやく完成する。
その瞬間、冬夜は目眩を起こす。
ガタッ、ドンッ!と音がなり、恵子は急いで冬夜の部屋へ来る。
そこに冬夜は倒れていた。
恵子「もうびっくりさせないでよ」
冬夜「ごめん・・・」
冬夜は熱を出し、ベッドで横になる。
出張として医者が来て、高熱と判断される。
医者と恵子は部屋の外へ行き話をする。
そこで医者は言った。「余命、残り僅かだと思ってください」と。
恵子は驚き、そして涙を流す。
医者は帰り、恵子は冬夜の部屋へ戻る。
恵子「冬夜・・・」
冬夜「余命宣告でもされた?」
恵子「!」
冬夜「何となく気づいてた、最近は特に」
恵子「どうして・・・」
そして、そこで初めて冬夜は口にする。創士の話を。
多分それは生命を削って発動しているのだという事を。
ピンポーン。と音がなり、鳴り終わるとドアが開く音がした。
恵子は何事だと思いすぐさま玄関へ向かう。
そこには明の姿が。
医者から連絡をもらい、仕事を休んで直でこっちに向かったのだと言う。
冬夜「明兄ちゃん、久しぶり・・・」
明「冬夜、何で今まで黙ってたんだ・・・」
冬夜「兄ちゃん、これあげる」
と、冬夜は明に赤の欠片を渡す。明は既に青の欠片を持っている。
明「それがないと能力が安定しないんじゃないのか?」
冬夜「多分、兄ちゃんにも同じ事が言えるんじゃないかな。2つも持てばより安定すると思うよ」
渡したあと、明は苛立ちが起きても力場破壊の能力の暴発は発生しなかった。
冬夜「残骸跡地へ行きたい・・・」
恵子「ダメ!」
明「なら、俺に勝ったら連れて行ってやる」
恵子「兄さん!」
明・冬夜「ちっけった」そして冬夜は勝って、車の準備をして3人は残骸跡地へ向かった。
恵子「その本・・・」
冬夜「うん、持ってこないと意味が無いと・・・思ったから」
そして山頂に来て、残骸の方へ本を差し出す形で冬夜は掲げる。
すると、本と残骸が共鳴を起こす。
冬夜が更に持ち出していた小さな装置と砂も光だし、そして奇跡が起きる。
恵子「嘘、こんな事って」
明「マジかよ!」