第2話 接触、風王(しおう)現る
突然と何か予夢を見て、思った冬夜
大学で留守にしている恵子が居ない間に行動を移す
光明質弥これを使い冬夜は行動する。
タクシーを呼び、そして乗る。そして言う「残骸跡地へ行ってくれませんか」と。
この一文は誰もが知っている、あの場所。
今ではキープと文字が入ったテープによって封鎖されている区域。
山そのものが出入り禁止になっているため、タクシーは山の入口の前で止まる。
冬夜は料金を払い、降りる。
タクシーの運転手はやめた方が良いと言い出すが冬夜は聞かない。
冬夜「ありがとうございました」と言って、タクシーから去った。
冬夜の移動は車椅子しかないため、いつもとは違う白紙の本を使い創士の力を用いて
行動のサポートに使っている。
山頂になんとかたどり着き、キープというテープを通り越す。
今でも放置されている残骸。
冬夜「ここに、あるはず・・・」
冬夜は探す。"ある物"を。夢の中で見た、あの剣を・・・。
探し続けて数時間が経ち、夕方になる所で冬夜は、ある物を見つける。
冬夜「この辺にある物とは違う色の砂・・・」
そう、その砂こそが・・・冬夜が探し求めてた。
冬夜「剣が、砂になったのか・・・くそおおおおお!」
***「誰かいるの・・・?」
声がする方向に冬夜は見直す。伺っていると、声の主は現れた。
冬夜「女の子・・・?」
***「やっぱり、砂になっているのね・・・」
冬夜「君は一体・・・」
那月「あ、ごめんなさい。私は四霞那月と言います。夢に出てきた道しるべを頼りに、こちらまで来ました」
そして那月は夢の内容を話、冬夜は納得した。そして何故、剣は砂になったのかも悟った様子。
冬夜「では、那月さんは剣の中にいた精霊"レキア"の記憶を保持してるという事ですね」
那月「はい」
冬夜「僕はその名前は聞き覚え無いですが、それと似たような夢を見ます」
冬夜も今まで見た夢の一部を那月に伝えると、涙がこぼれた。
そして、那月によって車椅子を押されて一緒に山を降りていく。
目的の物を達成し、剣の果ての砂を袋に入れて持ち帰る所だ。
そして那月が見つけたとする小さい装置も一緒に。
山を降り切ったあと、リムジンがあった。
那月の説明により、それは那月が乗ってきた車で良いとこのお嬢さんの様子。
リムジンによって冬夜は家へ送られる。
自宅前に人がいる。
冬夜は那月の手伝いにより降りて車椅子に乗り換える。
そして自宅前にいた人が近づいてきた。
恵子「冬夜!」
冬夜「げっ」
那月「(この人は・・・?)」
恵子「今までどこにいたの、帰ってきたら部屋の電気は消えてて寝室に冬夜は居ないしで心配してたのよ」
冬夜「ごめんなさい・・・」
那月「あの~」
冬夜「この人は僕の姉です」
那月「私、四霞那月と言います以後お見知りおきを」
恵子「四霞って・・・」恵子は気づき、頭を下げる。
冬夜は気付かなかったが、恵子は何度も頭を下げ、那月はお構いなくと言い伝える。
そして那月は車に乗り、去っていった。
冬夜と恵子は家の中に入り、恵子は言う。
恵子「で、その袋は何?」
冬夜「砂」
恵子「どこの」
冬夜「残骸跡地にあった特殊な砂、あと那月さんに貰った小さい装置」
恵子「というか(冬夜、面と向かって話してるけど)」
冬夜「あと、ごめんなさい。光明質弥を使って目が見える状態にして行動できる」
恵子「え?」
光明質弥がいつ開眼したか、効果を恵子に伝えると恵子は驚きを隠せない。
しかし冬夜は創士の能力については一切伝えていない。
これを伝えると、あの本を取り上げられると思ったからだ。
そして必要な時と場所によって使うか使わないか判断しなさいという話にまとまった。
恵子「だから、あの時・・・自室から食卓までの移動ルートを正確に来れてたのね」
冬夜「えへへ・・・」