表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
醜いうさぎ  作者: なつき
5/6

禁断な恋のはじまり

うさぎは抱っこされるのがきらいだが

ほんとうに気持ちを理解してあげると

抱っこするのも夢ではないらしい


まだまだ子供のうさぎに

お兄ちゃんはいう



まだ子供としてしか見てないよ

また妹弟たちと出かけよう

これからもよろしくね



やっぱりか、、、



高校は、名前さえ書いておけば誰でもいける公立高校にバスでいくようになった


同じ中学校からは、誰もいっていない


それでも私はやっぱり同級生の学校生活に馴染めない


唯一仲良くなった友達二人は一年生の一学期でやめた



だんだん制服を着てその子たちとナンパまちや

合コンにいくようになる


初キスは

その友達のひとりの彼氏だった

公民館で、あめを舐めていたら突然してきた

ソーダ味のキス


でもその友達は常に彼氏が、三人いたので

何も言わなくてもすぐに別れた



今現在も仲良しの友達で笑い話のように語る


そんな初キスだった



二人と会わない時は

また、図書館にいた

少女小説は恋愛小説に変わっていく


王子様っていないのかなぁ~


そんなことを思いながら



家は、昔から父親と母親の喧嘩は耐えなかったが

でも身体の関係で仲良くするらしい


喧嘩が始まると茶碗が飛び交う


危ないので

妹弟たちを押し入れに非難させる


身体の関係が始まると

テレビのボリュームが大きくなる


だんだん母親は宗教だけでなく

お金をどこかから借りてくるらしく

よく宝石や食べ物が増える

電話を、とると

金返せっていう怒鳴り声の電話がかかりだした


またそのたびに父親と母親は喧嘩をはじめる



宗教には

だんだん、妹弟たちはいかなくなっていっていた


私と一番下の、弟


ただ、お兄ちゃんが、遊びに連れていってくれるのにはきたいらしい

妹弟たちみんな揃っていた


複雑な、気持ちの中

まだお兄ちゃんといる私



そうか、あたしが宗教に入ればもしかしたら

私を子供扱いしないかも、、


そんな気持ちだけで宗教に通う


宗教には段階がある


勉強を、へて


仲間と、認める儀式を行い

そして名前がつく


男の人はその儀式からまだ段階を踏んで偉くなり教える側に回る



いつの間にか私は儀式の前段階にきていた


宗教には興味はない


ただお兄ちゃんに少しでも会いたい気持ちは変わらなかった



その気持ちから逃げたくて


友達と援交しようとテレクラに電話する


でも身体の関係になることなく

小遣いをもらう


バイトもはじめた


だんだん好きなものが買い始めた


世界も関わる人も中学生のときよりは広がってくる


母親の叩きに叩き返すようにもなっていった



だけど。


だけど、


お兄ちゃんが忘れられない


また手紙を書いた


やっぱり好きです


また同じ答えが返ってくる


やっぱりダメか


学校へは単位を落とさず

のくらいでいく


その繰り返し




高校二年生の夏

最後の手紙をお兄ちゃんに書いた三通目だ


やっぱり諦められないんです

好きなんです

これがでも最後にします



その手紙を渡した後


妹弟たちとみんなで花火をお兄ちゃんとした


帰り際

坂道を登るのに

手を握られた


その手は強く握られる

私も握りしめる


手が絡まった

私も絡めたままだ


今までと違う気がする

なんなんだろう?


お風呂の中で自分の両手を握った


母親には言えない


心臓の音が止まらない


なんだろう



いや、あたしを子供と思ってるだけよ

言い聞かす


今度は妹弟たちと他の信者とプールにいくことになった


流れているプールに身を任せる私


浮き輪にお兄ちゃんは近づいてきた

プールの中で

手をしっかりとまた握りしめられる


握られた手を離さない


なんなんだろう?

けど、

聞けなかった


返ってくる言葉は同じ気がしたから



そのまま秋がすぎ

冬が近づいてきた



お兄ちゃんから、突然いわれた


桜公園に、きてくれないか



私ははい

と答えた


心臓はもう飛び出してしまうのではないか


いや子供


子供

いいきかせながらもなぜあたしを呼んだのだろう

鼓動が鳴り響いた

誰もいない夜


ライトが照らされていた


私が公園にいく道と


お兄ちゃんが公園にいく道は違った



お互いがライトの下へと向かっていく



寒かったね


お兄ちゃんは自分のマフラーを私のクビにまきつけた



僕も好きだよ

子供としてではなく

男として好きだ


信者になったら

結婚しよう


うん

涙が頬をつたう


顔をみてお兄ちゃんは涙をふきながらにこりと笑う

そして抱きしめられた



あたしに王子様が現れたのだ

そう思いながら


幸せだった


高校二年生の冬のはじめ

だけど私はまだ信者ではない


結婚するまで二人で会ってはいけない


禁断な恋の始まりだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ