初恋
うさぎは心が豊かで愛情をたくさん求める生き物だ
人間にもそれは通ずる
もしかしたら人類生き物は皆そう創られているのかも知れない
私もそのひとりだ
中学生になるとき
また県内で引っ越しをする
新しいとこでの生活は
やはり同級生には馴染めない
宗教狂いは直らない母親のもとにいた
どこに行ってもその宗教仲間は集まりあう
そこで、妹弟たちがいるうちの家族には
面倒を全面的に手助けする男の人が
関わるようになっていた
私より12歳年上の宗教仲間の中ではお偉いの人だった
宗教には宗教ネームがあるが、
私はお兄ちゃんと
呼んでいた
その宗教は宗教同士でしか結婚できない教えだ
2人きりで会うことも結婚するまで許されず
離婚も許さない
という教えだ
顔も男前で
独身女性にはとてもモテる人だった
大人になれば12歳という年齢はあまり違いがないように思うが
中学生の私には
大人の男の人だった
その人は何をするかというと
弟たちに宗教のことを教えたり
宗教の集まりにいってるときは近くに座ったり
子供たちをどこかへ連れて行ったりする役割だ
だから関わることも多かった
穴が居場所だった私は
中学校の制服を着て
穴から図書館にいるようになった
もう教室に行くことが出来なくなっていた
少女マンガから少女小説へとかわり
学校へいくふりをしては、
図書館へと向かう
ぽかぽかと日がさすソファーに座りながら
昼寝をする
ただ、制服なので何回か警察へ通報され
母親は学校へ文句を言う
余計に教室へ行けない状況になっていた
その様子を見て
お兄ちゃんは
どうしたの?
と聞いてきた
だんだん私の話し相手になっていた
そしてニコッと
歯を見せ笑いながら
また姉弟みんなでどこかにいこうね
と言ってくれた
少しずつお兄ちゃんに会うのか楽しみになり
苦痛だった宗教の集まりにいくのが楽しみになってきた
会いたい
その気持ちは
なんなんだろう
弟たちを見ながら私を見て
大丈夫?
その優しく微笑んだ顔を見て
心臓の音がする
どく、、ん、
どく、、ん、、、
胸が締め付けられる感覚
初めての感覚に
動揺していた
相手は
ただの中学生の子供に見ているだろう
弟たちの
おりこうなお姉ちゃんに見ているだろう
この想いは
少女マンガや小説で読んだ恋というものなのか?
それでも日に日に考えるようになっていた
母親は真面目に宗教のことをしているんだと勘違いをしている
これはどうすればいいんだろう
唯一の友達は金持ちだった
そのこは出世払いねといいながらよく家に呼んでくれてはマンガの書き方や
親の手伝いをして
バイト代をくれたりした
ただ、同性愛者で、
私は離れた
中学生の教室に入れなくなった私は
一学年下の女の子と2人の教室が設けられた
そこへ行っても先生がひとり
何をするわけでもなく
単位などあるはずもない
なのに母親は私立の女子高を受けさせると言いだした
なぜわからない
私は母親に反抗心を持った
行きたくないのよ!
そいいう私に母親は
あなたがきちんと学校にいって
勉強すればいいだけのことでしょ
あなたがそうしないから
妹や弟があなたより偉くなるのよ
私は馬鹿を産んだ覚えはないわ!
やっぱりもっともっと叩くべきだった
怒りがこみ上げてくる
もし私がこの母親を殺しても
刑務所に入っても後悔しないんではなかろうか
叩きだした母親に、その叩くホースをとり
叩きのめした
母親がぐったりするまで
自分がまるで自分ではないみたいだった
次の日
私立の高校の試験があった
遅れていき
二日目は
ひとりでショッピングモールにアイスクリームを食べに行った
帰ると
お兄ちゃんがいた
どうした?
涙がこぼれ落ちた
アイススケートにいこうか?
その人は言った
初めて男の人と2人で出かけた
車の中から
聞こえていた
どく、、ん、
どく、、ん、、
相手に聞こえないか気になった
アイススケートに着いて初めて履くシューズ
お兄ちゃんはシューズを結んでくれた
この人は
私を子供と思っているのだろうか
出来たよ
行こう
初めてするスケートになかなか手が離せない
おいで
私の手を取り上げ肩を抱き滑り出した
また心臓の鼓動が聞こえてくる
どく、、
どく、、
早くなる
男の人としてあたしはこの人が好きだ
恋をしたんだ
だんだん手を繋ぎながら
滑れるようになりだした
わぁー
そこには笑いが2人にあった
帰ってから
手紙を書いた
好きです
男の人としてあたしは好きなんです
けどそれ以上は書けなかった
次の日
お兄ちゃんのところへ行った
読んでください