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「5歳」 リィリィの日記

【初花月5日】

お母様から日記帳をいただきました。

きっちり鍵つきだから、これで考えていることをいろいろ書いてもだいじょうぶなはず!

書きたいことはいーっぱいある。


まずね、宣言しちゃうけど、わたしリィリィ・ガストン男爵令嬢は、転生者です!

あー、これ、ずーっと誰かに言いたかったのよね。

言ったら頭おかしいって思われるだろうから、誰にもいわないけど。

せめて日記帳さんにくらい語っても許されるよね。

お う さ ま の み み は ロ バ の み み

なんてね。




【月待月7日】

王宮に行ってきたましたよー!

すっごく緊張した。


王子様の遊び相手として、貴族の子どもたちが集められたんだけど、

商人あがりの男爵令嬢なんて、貴族の中ではすごく下っ端だし、立場弱すぎ。

けっきょくクライン王子は、お顔をちょこっと拝見しただけだった。

あれ……、王子様の遊び相手として呼ばれたんだよね、わたし?

まぁたくさんお呼ばれしたうちの一人でしかないから、いいんだけどね。


それより、ひとり気になる子を見つけた。

ロゼッタ・ローゼンタール公爵令嬢。

ロゼッタ様は綺麗な金髪縦ロールの美少女で、容姿だけでも目立っていたんだけど

なんかこう、他の子とは違って大人っぽいというか。

周囲の子たちも、貴族だけあって大人びたところはあるんだけど、

そういうのとは何かが違うっていうか。

これは、カンだけど、あの子もわたしと同じ転生者じゃないかなーなんて思う。

今度お会いしたら、うまく探りをいれられないかなぁ。




【葡萄月15日】

ロゼッタ様、やっぱり転生者だったー!!


あんまり前世のことはお話したくないらしくて、語ってくれないけど、

そのへんはいろいろプライベートなことだし、聞かなかった。


私もあんまり、死んだ前後のことは思い出したくないんだよね。

病気だったし、体もキツかったけど、まわりの人にも当たり散らしちゃったからなぁ。

いま思い出せば申し訳ないばかりだわ。

ちょっと体調がいいときに、お父さんやお母さんに「いつも当たり散らしてごめんね。先に死んでごめんね。大好きだよ」って手紙書いて、病院の荷物の中にいれておいたけど、気づいてくれたかなぁ。

そんなことで許されないかもだけど、お父さんやお母さんなら、いっぱい泣きながらも手紙を喜んでくれるって思ったから書いたんだよね。

私の体が弱かったからいっぱい悲しまさせちゃったけど、二人があの後も幸せに暮らしてくれていたらなって思う。


あー、なんかいろいろ思い出しちゃった。

今日はもう寝よう。


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