〔 学校 〕 教室
【 地 上 界 】
≪ 学校 ≫
教 室
放課後
三〇分後
下駄箱
帰宅道
駅
?
「──かなみ! 越前かなみ! 今は授業中だぞっ!!」
越前かなみ
「──いだっ!!」
?
「『いだっ』ではない! 俺の授業で堂々と居眠りとは、いい度胸をしているな?」
越前かなみ
「……せっ先生……、ごめんなさい……。昨日は寝るのが遅──」
先生
「言い訳をするな! 居眠りをした罰として、越前は居残りだ!」
越前かなみ
「ええっ!? 今日は駄目です、先生!」
先生
「何が駄目か! 居眠り犯の都合等が通る訳が無いだろう! 戯けがっ!」
越前かなみ
「あうっ!! 教科書の角で頭を叩かないで下さいよ〜!」
先生
「なら、目を見開いて、真面目に授業を受けなさい」
越前かなみ
「うぃ〜ス……
(……眠みぃ……)」
?
「{にははははっ、怒られてやんの〜!}」
越前かなみ
「{五月蝿いよ! 壱可の所為なんだよ! 責任感じてよ!}」
壱可
「{何の事でござい?? 罰っての、四階のトイレ掃除じゃないかな〜?}」
越前かなみ
「{ぬな?! 四階のトイレ掃除?! ちょっ、それは嫌かも〜〜〜!!!!}」
壱可
「{にはははは、御愁傷様〜♪ ああ、序でに、帰りは土砂降りになるらしいよ★}」
越前かなみ
「{ブラック★スターを使うとか、本当ムカつくっ!! 今夜、絞めてやるから!! 覚悟しときなさいよね!}」
壱可
「{めんごね、今夜はモンテン、出来ないんだよね〜。どっても見たい映画が深夜放送されるからさ〜♪}」
越前かなみ
「はあっ?!」
先生
「越前っ!! 真面目に授業を受ける気が有るのか!!」
越前かなみ
「つあっ!? あ、有りますです、先生! ご慈悲を下さい!!」
先生
「……いいだろう。俺は優しいからな」
越前かなみ
「有難う御座います、芦屋先生! 心の広い先生が大好きです!!」
芦屋先生
「うん? そうか。俺は居眠りせず、物静で騒がず、真面目に授業を受ける生徒が好きだぞ。越前は県外だ! ホームルームが終わる迄、後ろで立ってろ!」
越前かなみ
「ひどっ!! まさかの生徒虐待!?」
芦屋先生
「授業妨害者が寝言を言うな!」
壱可
「先生〜、越前さんは放っといて、授業を進めて下さ〜い。遅れたくないで〜す」
芦屋先生
「うむ、壱可の言う通りだ。授業を続けるぞ」
壱可めぇ〜!
先生に寝返る(?)なんて〜っ!!
先生側に付いたのは、壱可愛。
私の隣席の男子生徒。
愛と書いて『いとし』と読むのは、数十年前に放送されていた朝の連続ドラマ『アイシとイトシ』に登場していた名前を拝借して付けられたらしい。
『あい』『めぐみ』と呼び間違えられたり、女子と間違えられたりしても、壱可はケロっとしている。
苗字も十分、女子っぽいんだけど、性格,仕草まで女子っぽい訳じゃなくて、ちゃんとした男子。
机の上の教科書等を机の中にしまい、先生に言われた通り、後ろに移動して、立ちながら残りの授業を受けた。
今の授業は6時限目だから、休憩後は直ぐにホームルームになる。
トイレ休憩にも行っちゃ駄目なのかな〜?