進化異変1面
「さて、がんばってこいよ、悟恋。」
「はい、師匠。」
「うぅ、師匠、なんで私は駄目なんですか〜?」
「悟恋の修行だからだ。悟恋、これをもってけ。」
「これは?」
「通信陰陽玉だ。いつでも俺と会話ができる。」
「ありがとうございます。では、行ってきますね。」
「ああ、行ってらっしゃい。」
そう言って少女は、愛用しているただの木の棒を持って、着ている服を天の羽衣に変えて人里に飛翔した。
「人里……特に変わってませんよ?師匠。」
陰陽玉に向かって師匠と呼び、話しかける少女のその姿は、何も知らない人にとっては奇異に映るだろう。そして、陰陽玉から声が出るのにもっと驚く。
しかし、人里の人達は知っている。
幻想郷に被害を及ばしている異変を、博麗霊斗とその家族、時には弟子が解決することを。
今回の霧の湖の異変を解決しに来たことを。
「いや、霧の湖の方を見てみろ。」
「……!」
霧の湖には、天まで続く氷でできた高い塔がそびえ立っていた。
その根元からでる氷によって、人里の一部が凍結していた。
少女は当然のように飛翔して塔に接近するが、途中結界に阻まれてしまう。
「師匠、結界解けますか?」
「うーん……近くに核となっている守護者がいるはずだから、そいつに勝てばいいと思う。」
「わかりました。」
「あら?そこに居るのは?」
「誰です!」
「私?結界の守護者、朱雀。この結界を守りきれば、三蔵の肉をいただく契約を三妖としたの。死にたくなければ、早くここから離れなさい。」
そう言って、朱雀は手に持っていた剣先を悟恋に向ける。
「ごめんなさい!!」
悟恋はそう言って、木の棒を朱雀に向ける。
「変化〈如意棒〉」
木の棒が如意棒に変化し、朱雀は如意棒によってはたき落とされた。