異変始動
〜現代にて〜
「へぇ……その後、悟恋って子はどうしたの?」
「あれ、悟恋ちゃんの話をしてるんですか?」
「おお霊悟、霊妹、帰ってきたか。話に入れ。」
「父さん達がそう言うなら。」
「で、今、悟恋ってどこにいるんだっけ?」
「紅魔館です。」
「紅魔館か。紅魔館といえば……あった、このページだな。悟恋が解決した異変の時の日記。」
*****
6月17日、今日も雨。
今日は、悟恋が俺の元に預けられて、15年目の日だ。
「師匠〜手紙みたいです。」
「そうか、ありがとな。霊姫。」
霊姫の年も、もうすぐ25。
四捨五入すれば30歳だ。
それはともかく、今日はサトリに呼ばれている。
待ち合わせは守矢神社。
守矢神社に着いた。霊姫と早苗の方の子孫が、喧嘩してる。
「やめろ、同じ先祖を持つってのに。あれ?あいつどこにいるかなぁ?」
「ここです。」
声のした方向を振り返ると、そこにはあまり容姿の変わっていない古明地サトリが、いつもと寸分変わらない様子で立っていた。
「それで?話ってなんだ?」
「え?気づいていないんですか?」
「何が?」
「異変です。」
「異変って、いつ起きてるんだ?」
「今、起きてる真っ最中じゃないですか。どうやら、能力の威力を増幅させる異変のようです。」
「俺は絶対わからないな。」
「そういえば、そうでしょうね。私は皮肉にも、この能力の威力の増幅によって、広範囲の全てを見る程度の能力に一時的に進化しているんです。」
「なるほど、でも、それっていいことなんじゃないのか?」
「いえ、人里のとある妖精が能力によって辛い思いをしています。妖精の名はチルノです。今回の依頼内容は、能力の増幅する異変、進化異変の解決です。」
「わかった。悟恋、霊姫、行くぞ?」
「「はい!」」
今回は悟恋の初任務だな。彼女の能力は、自分を除く、生物以外を変化、変質、変形させる程度の能力だ。あいつのことだ、きっとうまくいくだろう。