孫悟空
「ごちそうさまでした。」
「お粗末様でした。」
私達はハンバーグを食べ終わり、本題に入る。
「霊斗、省、話を聞かせてもらおうかしら?」
「ん?なんだ?」
「貴方の目のことよ。」
「目?」
「そう、貴方自身は気付かないだろうけど、偶に目から光が消えてるのよ。」
「ああ、そのことね。」
「あちゃー……やっぱりばれるか。」
「やっぱりってことは知ってたの?」
「ああ。あれは、五百年ぐらい前のことだったかな……?
*****
「やいやいやいやい!!孫悟空様のお通りだい!博麗霊斗ってのはどこのどいつだい⁉︎」
「めんどくさそうな奴……知らないふりしとこ。」
「早く名乗り出てこい!さもなくばこいつの首を跳ねるやい⁉︎」
自称孫悟空は、そう言って近くにいた子供を引き寄せて首筋に鋭い爪を当てる。
「きゃああああ誰か助けてぇぇ」
おい、悪ノリしてんじゃねえ。お前ならこんな奴、簡単に殺れんだろ。
「あれ⁉︎そこにいるのは、霊斗さんでは⁉︎」
おいそこ、民間人のふりしてるけど、バレバレだっての。覚えとけよ?霊悟&霊妹。
仕方ない。のってやるか。
「いかにも!俺が博麗霊斗だが?そこの猿!子供を解放しろ!」
「ムキイィィ!!誰が猿だってェ⁉︎お前みたいな無礼者は、公開処刑だい!!」
「いいだろう。近くの平原で勝負だ。格の差ってもんを見せてやるよ。」
「それはおいらのセリフやい!いでよ金斗雲!」
悟空がそう言って如意棒を空に掲げると、金色っぽい雲が飛んできて、悟空はそれに飛び乗る。
さて、ここならいいだろう。
悟空が如意棒を俺の顔面に突き出し、如意棒が伸びて俺の顔に当たる。
この程度の攻撃、何とも無い……はずだった。
当たった直後、久しく受けていない激痛が走り、咄嗟に受け身を取る。
「鼻骨折れたか……痛えな。久々に受ける感覚だ。おもしれえ!!」
「どうだ!防御力比例の秘術〈点突〉は!まだまだおいらの怒りはおさまらねェ!」