プロローグ
……まただ。また霊斗の目に光がなくなった。
元気がない。と言われれば、そうなのかもしれない。
せっかく、天国で外界の料理とか習ってきて、それを作ってる最中なのに。
「省……と呼べばいいのかしら?」
「はいはい?」
「さっきから、霊斗の目に光が消えてるのだけれど……」
「あれ?あれはねぇ……話せば長くなるから、先に料理作っちゃえば?」
「そうね。……とそろそろかしら?完成!」
私は完成した料理やサラダを、皿に盛り付けて机に置く。
「霊悟〜霊妹〜って二人ともいないのか。」
「お?懐かしいな。ハンバーグか。」
「あら?知ってるの?」
「霊夢、俺が外界出身なの、忘れてないか?」
「そういえばそうだったわね。さ、冷めないうちに食べましょ?いただきまーす」
「いただきまーす」
今日のメニューはポタージュにサラダ、ハンバーグと白米。
外界の一般的な料理らしいのだけれど、霊斗は気に入るかな?
「ん、うまい!」
「そう、それは良かったわ。天国で習ったのよ。」
「そうか。それにしても美味いな。」
どうやら、霊斗のお気に召したようだ。
「ただ、味が濃くないか?」
「やっぱりそう思う?」
外界の料理は幻想郷の料理と比べて、味が濃い。
日本食に食べ慣れると、外界の料理は少し食べづらい。
「それでも美味しいけどな!」
霊斗はそう言って、またばくばくと食べ始めた。