「副首都」で「東京一極集中」は改善されない? ただの「利権闘争」になってしまっている件について
筆者:
今回は維新の会が行おうとしている「副首都」について根本的な考え方があることについて語っていこうと思います。
◇「東京一極集中」にリスクと社会問題があることは間違いない
質問者:
筆者:
それは東京一極集中の問題があるからです。
東京に集中して何が問題があるの? と思うかもしれませんが、
東京都と言うのは若者が他県から流入しているにも関わらず出生率は全国ワーストになっています。
質問者:
どうして東京都が出生率全国ワーストになるんでしょうか……。
東京だと収入も高そうな上に東京都の子育て支援も充実していそうですが……。
筆者:
確かに収入の金額そのものについては高いのかもしれません。
しかし、家賃や交通費、生活費にかかる費用は他の地方に比べて格段に高いことになっています。
国土交通省の令和3年1月29日より開催された『企業等の東京一極集中に関する懇談会』での参考資料『企業等の東京一極集中に関する懇談会 とりまとめ』というところからの78ページ目以降のデータを参考に書かせていただきますと。
全世帯の可処分所得 は東京は全国3位
中央世帯の可処分所得は東京は全国12位
中央世帯の可処分所得-基礎支出(食費や水道光熱費、家賃など)は全国42位
中央世帯の可処分所得-基礎支出+通勤時間の費用換算)は全国47位
生活費以外では何と全国最下位なのが東京なのです。
結局のところ余剰資金が無ければ結婚することは出来ません。そのために東京から各地に分散させる必要性と言うのが日本の国家全体の将来にも関わる問題でもあるのです。
質問者:
収入が増えればそれだけ税金も増えますから単純に収入で比較するものでもないという事なんですね……。
※もっとも東京都の子育て支援に関する補助は他の都道府県より突出していることは間違いなく、出生率の低下幅としては近年低くなっています。
筆者:
また、東京に官公庁が集中することによって口々に言われる「南海トラフ」が発生すると一気に壊滅する恐れがあります。
このようなことから1970年代ぐらいから「首都移転」や「首都機能一部移転」などが議論されていたそうです。
◇「東京一極集中」は「副首都」で改善されるのか?
筆者:
問題は「東京一極集中」は「副首都」で改善されるのか? ということです。
意味の無いことをやっていれば手間とお金がかかるだけになりますからね。
結論から言ってしまうのであれば、「副首都構想」は「本質的な改善には繋がらない」と思います。
質問者:
え? そうなんですか? 特に南海トラフの影響に関しては東京がやられた場合は首都機能が複数あった方が良いような気もするんですけど……。
筆者:
確かにそう言う見方もあるかもしれませんが、よく考えてもらいたいんですけど、
「南海トラフ」が仮に発生したのだとするのなら大阪も影響が受ける地域の一つになっているんですよ。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1675210
上の記事のように震源地次第では関西の方が震度が大きいという試算もあるので、
南海トラフ対策で首都機能を大阪に分散する意味があまりありません。
質問者:
というか、「副首都=大阪」みたいなイメージなんですけど大阪で確定なのですか?
筆者:
これまでは「特別区」を設置することが前提でそれが「大阪都構想」を強引に推し進める維新の会が「副首都」の副産物として行うことが想定されていました。
しかし、https://www.asahi.com/articles/ASV7C1RZ9V7CUTFK002M.html この記事にもあるように、『政令指定市と道府県が「連携協約」を結ぶ場合』と言うケースも含まれるようになり他の道府県においても副首都の可能性は開かれました。
ただ、「可能性が他の地域にもある」と言うだけであって結局のところ「副首都は大阪」である可能性は極めて高いというのが僕の感覚としてはあります。
質問者:
筆者:
最も大きいのは「維新の会が与党」でありながら「大臣を出していない」と言う点です。
大臣を出すことは非常に栄誉があると同時に利権を獲得することも出来ます。「融通」を利かせることで自分の党や支援者に有利な政策を事実上供与することも可能になるからです。
しかし、それを辞退してまで「政権与党」を名乗るという事は、「政策を実現して欲しい」という事なのだと思います。
維新の会は「定数削減が改革のセンターピン」としていながらもそれを諦めて今国会は「副首都」に絞りました。
それを考えると、「是が非でも副首都は大阪に」という執念すら感じられるのです。
質問者:
なるほど……。ただ、結局南海トラフなどの大地震では同じか東京以上に被害を受けてしまう可能性があると……。
筆者:
僕は維新の会が竹中氏が倫理委員会の委員長であることからいいイメージが無いわけですが、それにしても「副首都」そのものの考え方が良くないと思っています。
仮に副首都を南海トラフとはあまり関係がない福岡やら北海道にしたとしましょう。
福岡は福岡で朝鮮半島と近すぎて有事の時に狙いやすいですし台風の影響があります。
北海道はロシアに狙われやすい上に冬はとんでもなく寒いので機能しないでしょう。
つまり、「副首都」と言う考え方そのものがダメなのではないか? と言うのが僕の意見なんです。
◇各機関が一番ふさわしい場所へ
質問者:
そうなると、東京一極集中はどうしたら改善できるのでしょうか……。
筆者:
まず、行政に関する事ですがこれは前々から僕が言っていますけど2023年に文化財の7割が集中している京都に文化庁が移転したように、「相応しい場所」にそれぞれ移転する必要があると思います。
農林水産省は農作物がある東北や北海道へ、
防衛省は離島や国境の問題がある沖縄に置くなど
「問題が一番起こりそうなところ」に各機関を移転するんです。
その上で東京にもちゃんと大臣などが普段指示できるようなシステムを構築する。
質問者:
確かに丸ごとどこかにか移転してやられたら意味が無いですからね……。
筆者:
まるごと移転するのはそれこそ費用が掛かります。リスクがあまり分散されない上に費用だけがかかり官僚のポストだけが増える――実は官僚の思う壺なんですよ。
それで「副首都誘致合戦」が今後起きて金の奪い合いになる――非常に愚かなことが今後起きてくるわけです。
あまり生産性が上がらなさそうなことにコストや労力を費やすんだなと言うのが僕の感想ですね。
◇東京一極集中を改善するには?
質問者:
でも、こうなると東京一極集中の流れって改善しなくないですか?
筆者:
「東京一極集中」の構造と言うのは「若者の地方・田舎離れ」とも言い換えることが可能になります。何せ東京都の出生率は低いわけですからね。
「若者の地方から東京への流入」を防ぐことが重要なわけです。
ではなぜ地方の若者の方は東京に来たいのか? と言いますとSNSでの成功者と言うのは「東京で輝いているように見える」ために吸い寄せられるようにして行ってしまうんです。
『田舎で先輩や親を見ても将来性、夢や希望を感じない――でも、東京に行ったら何か変わるかもしれない! あんなにキラキラと輝いている成功者がいるじゃないか! 未来は東京で切り開くんだ!』
とまぁ、こんな感じで地方の若い方は「軽い異世界転生」みたいなことを夢見ているわけだと思います。
勿論堅実な理由で東京に来たい方もいらっしゃるとは思うので上のは極端な表現だと思っていただければ(笑)。
中には田舎から出てきて成功した方もいると思います。しかしそれは絶対数としては少ないながらもSNSで拡散されて「成功者が多くいる」ように錯覚してしまっているんです。 ※若しくは成功していないのにSNSの中だけで見栄を張っている。
ですが、大多数は先ほど見たデータのように「東京で生活するだけで精一杯」になってしまうんです。
つまり、先ほど提示したような「現実の東京」という事を若者に教えていくことが第一歩なのかなと思います。
質問者:
確かに、東京での生活が大変だと理解すれば憧れも薄まりますかね……。
筆者:
また、地方にはあまり「稼げる仕事」が少ないというのも問題だと思います。
特に国家に必要でありながら薄給で重労働である農業については全面的に支援して「政府が所得補償」や「就業年数に応じて返済不要の多額の貸付けによる生活保障」してでも若者を農業に従事させるべきでしょう。
上手く行けば若者が地方に根付きつつ東京一極集中も解決できるので複数の社会課題が解消できるのです。
質問者:
なるほど……根本問題を解決すれば複数の課題も解消できるという事ですか……。
筆者:
政府は問題提起とそのお題目だけは素晴らしいと思いますよ。
しかし根本的な問題の治癒には直結しない事ばかりをして「利権獲得競争」ばかりを結局のところやっているなと言う感じがしますね。




