PR 木霊する傘 作者: 檸檬 掲載日:2026/06/27 夜の吐息があさの雲 優しく吹き貫くあなたを抱き締めて翼が羽ばたけば夏雲になってゆく 蜻蛉の羽根の薄さで、何も持たずに おはようと生まれる息が レンズを曇らせて星のよな雨粒ひとつ光らせる ブルーベリーの黄緑色の実が雨を燦々と吸い込み ひとつふたつと夜に溶け込む深い青紫色に滲んでゆく 土深くあなたの手がしっかりと握りしめた傘の柄 空へと高く何層にもなる傘を広げてゆく その手を握り返す 傘の下で 心の中で 何も持たない翼で ひとつの嘴で