精霊会議と同棲疑惑
朝、通学は水無月さんとは時間をずらして別々に行く。
変な誤解をされたくないので別で!!
と言われてしまったので・・・。
通学の途中、相模原と合流した。
「眠い・・・」
「眠い・・・だと・・・渡瀬、貴様まさか昨晩・・・水無月と・・・」
「ないない、お前が考えているような楽しいことは何にもない」
「本当か?本当か?本当だろうな?」
「本当だよ・・・むしろ殴られて痛めつけられただけだ」
「そういう趣味か・・・?」
「違うわ」
なんだか朝から不毛な会話だ。
「精霊王が出てこない理由・・・悪魔が関係しているんかな」
「ありそうなのかな・・・わからんけど」
そして放課後は定例の精霊会議。
「さてこれまでに起きたことをまとめるわよ」
「簡単に言うと渡瀬の家が燃えて水無月と同棲することになった」
「渡瀬!!貴様やっぱり」
「違う違う誤解を招くような言い方するな」
「2人はいつの間にかそんな関係に・・・」
「違うといっている、そもそも簡単に略しすぎだ。しかも同棲できてない」
「そうなのか?」
「当たり前じゃないこんな野獣に家の敷居はまたがせられないわ」
「さておふざけはこの辺にして本題に入りますわよ」
「ふざけてたんかい」
「そう言うツッコミとか要らないから」
ついさっきまでふざけていたのに・・・。
「悪魔と精霊の関係についてよ」
「そもそも精霊と悪魔ってなんの関係もないんじゃないの?」
「確かに精霊史でも悪魔とどうしたとかあんまり聞いたこと無いぞ」
「過去に精霊と悪魔が駆け落ちしたっていうのがあったかと思いますけど」
「あーあったあったそんな話あったな」
「結局最後別々の道を行くところは感動だったよね」
全然話についていけない。
なんだよ精霊と悪魔の駆け落ちって・・・意味わからん。
「それって今回の件と何か関係あるの?」
「無いんじや無いかな?」
「私も無いと思いますわ」
「関係のない話で俺を置いてくなよ。早く本題に入ろうよ」
「じゃ悪魔が精霊王の命を狙っているのはなんでだ?」
「そうなのよね昨晩は私と渡瀬君も命狙われたし何が狙いなのか」
「精霊じゃなくて渡瀬君が狙われているって線はないのかしら?」
「なんで俺が狙われるんだよ」
「超能力者だから?」
「関係なくない?精霊は精霊同士、悪魔は悪魔同士でなんかすればいいじゃん超能力者巻き込まないでよ」
「でもよく考えたら精霊石は渡瀬君に反応してた・・・と言うことはやっぱり精霊王なんじゃ・・・?」
「そんなわけ無い、精霊感無いしそんな認識もない。そもそも精霊がなんなのかもわからないけどさ」
「精霊は概念よ。この世を形成する概念」
「概念ってなんだよ」
「人だって概念よ。概念が崩れれば消えるわよ」
「精霊はそれがよりうつろな概念の存在だってことですわ」
「ちょっと意味がわからん。そもそもなんで自分が精霊だってわかるんだよ」
「それね。感じるのよ。あっ私闇の精霊だってね」
「あーわかる急に来るわよね。あっ私水だって水の精霊だって感じたわ」
「なんだそれ?いつそんなの感じるんだよ」
「私は去年の秋ぐらいかしら・・」
「私は先月」
「俺は先週だ」
「全員最近じゃん」
「そうだだからお前にも急にあっ俺精霊だ!って瞬間があるかもしれん」
「今のところないし、ある気もしないんだけど」
「気づいてないだけだったりしないかな?」
「そうですわね。鈍そうですしね」
「急にディスられるんだが・・・」
「ちょっとこう力使ってみたら使えるんじゃないかしら?」
「そうでうすわね、こう集中してこの世の物質と意識を共有する感じで・・・」
「何も感じないし共有ってなんだよ」
「ダメだな」
「ダメですわね」
「才能ないのかしら?まあ流石に渡瀬君が精霊王って可能性はないわね」
「じゃあなんでやらせた?」
「さあ?」
「そんなことより今後の方針よ悪魔が絡んでくるとなると単純に精霊王を探すだけではなくて悪魔と殺し合いが始まるかもしれない」
「でも今のところ渡瀬だけが狙われている感じがするし放っておいても良いんじゃないか?」
「それもありかも」
「対精霊王の切り札としてはしばらく死なれても困りますわ」
「私は困らないわ精霊王を殺そうなんて思ってないし」
「俺も」
「ひどくないか?」
「そうでもないわ」
「全然だ」
「もういいもういいこれ以上聞くとつらくなる一方だ」
「あっでも家に悪魔が来られると困るんだけどこの前みたいに巻き込まれるし私だけが負担するのって不公平だと思うの」
「じゃあどうしろと?」
「みんな交代で渡瀬君を預かるってどうかな?」
「嫌ですわ男の人を家にあげるだなんて」
「俺も男とは住みたくない家狭いし」
「えー私も嫌なんだけど」
全員の拒否感すごいな、たらいまわしだし・・・。
「まあ、じゃあ仕方がない、しばらくはうちの犬小屋で渡瀬君を預かるとして・・・よ」
「そうね何故渡瀬君が悪魔に狙われたのか?今後悪魔が来たときの対処についてですわね」
「とりあえずこいつ泳がせて出てきた悪魔を捕まえて尋問しないか?」
「えーそれだと学校以外で悪魔に遭遇したら私だけが戦わないといけなくならない?」
「確かにそうね。しかも2人だけでは捕獲も難しいわね」
「だったら俺も水無月の家に泊まったら良いんじゃないか?」
「それは良いわね渡瀬君の部屋なら全然使ってくれていいわよ」
「よっし」
「それと渡瀬君は基本1人で行動は厳禁かつなにかあったらすぐ連絡すること」
そして家に帰宅した。
「なあこれはなんだ・・・?」
「これか?これはな犬っていうんだぞ」
「そんなことはわかってる」
「じゃあ大丈夫だ」
今日もお犬様たちが元気に家の中を飛び回っている、
「全然大丈夫じゃない水無月の家って聞いていたんだが・・・?」
「両親は水無月の家にいるぞ」
「おまえは?」
「犬小屋だ」
「違う、想像していたのと違う」
「何を想像してたんだよ」
「あるだろ!ラブコメみたいな高校生の男女が急に一緒の家に住む事になってさ、ドキドキしてさ、ちょっとづつ距離が縮まってさってそういうの期待するだろ?」
「わからんでもないが・・・現実は違うな」
「なんかすごく騒がしいしお前よくこの状況で寝れるな」
「まあ慣れだよ慣れ」
「だって犬臭いぞこの家」
「犬小屋だから仕方がない。俺は犬より身分が低いんだ」
「おまえ・・・かわいそうだな」
同情は良いから早く自分の家が欲しい。