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精霊と犬小屋と幸せの悪魔

「ここから先は私のエリアだから一切入らないでね」

水無月さんが家の中に線を引く。

「おっおう」

「あーもうなんで汚れなき乙女がこんな野獣と一つ屋根の下で生活しないといけないのかしら」

「野獣ではないが・・・」

「本当に?本当に否定できる?心によどみなくまごうことなく野獣の要素がないと?」

「そこまではさすがに・・・」

追及されれば否定的ない要素はあるがそれは男子高校生なのだから仕方がない。

「あーやっぱり!!ママ、ママ危険人物が家の中にいるわ」

「そんなこと言わないで・・・ママの昔からのお友達の息子さんなんだから大丈夫よ」

「絶対?絶対?何を根拠に信用できるの?なんで?」

「そこまで言われると・・・確かに心配ね」

なんか勝手に信用が失われていく・・・。

「徹君・・・やっぱり家の中は危険ね」

「危険?」

「ちょうど家の敷地内に犬小屋があるからそっちに住んでもらっていいかしら?」

「犬小屋・・・」

さすがに俺可哀想すぎないだろうか・・・。



広い・・・俺の元のうちより広い・・・広い犬小屋だ。

冷暖房完備シャワー付き・・・快適空間・・・なんだけど・・・犬。

そりゃいるよね犬小屋だからね。

当然犬はいるよね。

なんかいっぱいの犬が走り回りわんわんしてる。

犬犬犬犬・・・落ち着かないなぁ。


翌朝

なーんかいまいちよく眠れなかった。

「さあ学校へ行こう!」

「ん、ああ」

「でもさ、なんで悪魔が絡んできたのかな?」

「知るわけない・・・いまだに悪魔どころか妖精の存在も信じてないのに」

「えー?目の前にいるのに?」

「実感ないな」

しかしまさかこの俺に女子と一緒に登校するなんてことがあろうとは・・・。

幸せすぎて怖すぎる。


ドンドンドンドン!!!

あれ?変な音・・・。


なーんかいまいちよく眠れなかった。

「さあ学校へ行こう!」

「ん、ああ」

「でもさ、なんで悪魔が絡んできたのかな?」

「知るわけない・・・いまだに悪魔どころか妖精の存在も信じてないのに」

「えー?目の前にいるのに?」

「実感ないな」

しかしまさかこの俺に女子と一緒に登校するなんてことがあろうとは・・・。

幸せすぎて怖すぎる。

なんか同じ会話した気がするけど・・・まあ良いか幸せだし。


ドン!ドン!!ドン!!


激しい衝撃音とともに空が割れていく。


「起きろ!!起きろ!!」

ドゴォン!!



声がする・・・って言うかすごく顔が痛い。

ぼんやりした景色の向こうに水無月さんがいる。

そして銃を握り振りかぶっている。

えっ?銃で殴られた?

この顔の痛みって・・・?

ゴキン!!

銃が振り下ろされ俺の顔面を強打する。


「痛っぇ!!死ぬ死ぬ死ぬ銃で殴ったら普通に死ねるよ」

「大丈夫よ死んでないし」

「結果的にね結果的にまだ死んでないだけだよ」

「軟弱ね、むしろ起こさなかったらそのまま死んでたわよ」

「なんで幸せな夢見て寝てただかじゃん」

「そのまま永遠に寝続けることになっていたわよ」

「んっ?学校へ向かってないし犬小屋の中だし外は暗い・・・どういう事?」

「だから全部夢!!どんな夢見てたは知らないけど夢よ夢!!」

「夢?」

「そう幸せの悪魔に夢を見せられていたのよ」

「幸せだったしもう1回・・・」

「もう1回殴られたいの?」

「・・・起きます」

「そもそも幸せの悪魔って何?」

「人に幸せな夢を見させてそのまま寝たきりにして命を抜き取る悪魔よ」

「怖っ!命取られるところだった?」

「あとちょっとだったわ」

「惜しかったみたいな言い方しないでよ」

「幸せだったんでしょ」

「今よりは・・・」

「さあ悪魔の登場よ」

女性だ・・・身体にフィットしたワンピースを着たすらりとした女性

長い髪をかき分けながらゆっくりと歩いてきた。


「起きないでよぉ。せめて魂吸ってから起きてよぉ」

「魂吸われたら起きれないよ」

「そうなのぉ?」

「会話は無駄よ!!」

水無月さんが銃で攻撃をした。


「身体を綺麗に洗ってくれているのかしらぁ?」

「効いてない?ダメージ0?」

「じゃあお返しに幸せをあげるわねぇ」

「ぐっ・・・そんなもの・・・ZZZ」

「水無月さん寝た?ずるくない?俺の幸せな夢は途中で終わったのに!!」

「さあもう1回!!」

「あらぁ良い子ねぇ」

あぁ朝の光景・・・さっきの続き・・・。

ズドン!!!

後頭部に強烈な衝撃!!!

「あぁぁ痛いぃぃ全然寝れない!!」

後ろを振り返ると水無月さんが銃を構えていた。

「撃った?」

「撃ったわよ!」

「殺す気か?」

「死なないわよ出力弱くして撃ったから、むしろ魂取られる所を救ってあげたんだから感謝して欲しいわ」

「なんでぇ?幸せの夢見始めてたでしょぉ?」

「人間と一緒にしないで欲しいわ精霊だから抵抗力があるのよ」

「幸せな夢・・・」

「まだ言ってるの?死にたくなかったらシャキッと起きて戦って!!」

「はい・・・」

「ひどいわねぇせっかく幸せ気分だったのにぃ起こしたら可哀そうでしょう」

「死ぬよりはマシよ」

「でもぉ起きて死ぬかぁ寝て死ぬかぁ・・・だよぉ?」

「もう1つあるわよ。あなたが起きて死ぬのよ」

「えぇそれは嫌だなぁって言うか無理じゃない?あなたの攻撃何にも効かないし」

「私の攻撃は効いてないみたいだけど・・・これはどう?」

「空気圧縮弾!!」

ゴキャァァ!!!

「なんてことするのよぉぉぉ!!!首が折れたじゃないぃぃぃ!!!」

首が直角にぐにゃりと曲がったままこっちに向かって歩いてくる。


「完全にホラーね」

「怖すぎるんだけど・・・」

って言うかびっくりしすぎてちょっと漏れた。


「効いてないのかな?全然元気そうだけど・・・」

「とりあえず攻撃しつづけるわよ」

「空気圧縮弾!!空気圧縮弾!!空気圧縮弾!!空気圧縮弾!!空気圧縮弾!!」

空気圧縮弾の連打で攻撃をする。


「何してくれてるのよぉ!!!!完全に形が変わったじゃないぃぃぃぃ!!!」

手も足も首もひん曲がり人の原型をとりとめてない何かがそこにいた。

「攻撃を続けるのよ!」

「いや、ごめん・・・腰が抜けた」

「ビビらないでよ!!」

「ヒッヒェッ!!アァァァァア!!!朝!!朝!!朝はいやぁぁぁ!!」

「な、なんだ?」

「朝日よ朝になって日が出てきたわ!」

「朝が来たぁ夢が覚めるぅぅぅぅ!!!」

その一言を最後に幸せの悪魔は霧散した。


「ああ朝だもんね。夢は覚めるわね」

「そんな理由・・・?」

「そんなもんよ悪魔も精霊も存在はうつろだから存在理由がなくなると消えるわよ。人間だって同じよ」



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