辞令そして引越し
件名:校長任命
教育委員会
青華高校校長 渡瀬徹殿
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、このたび貴殿を青華学園の校長に任命いたします。
つきましては、辞令をもってこれを通知いたします。
件名:教頭任命
教育委員会
青華高校教頭 高峰玲子殿
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、このたび貴殿を青華学園の教頭に任命いたします。
つきましては、辞令をもってこれを通知いたします。
「なんですかこれ?ちょっと勝手に決めないでくださるかしら?」
「でももう校長渡瀬、教頭高峰で辞令出しちゃったし」
「出しちゃったじゃないですわよ本郷あなたはいつもそうやって自分勝手にですね」
「校長・・・会長にして校長・・・渡瀬!出世ね私に相応しい男子になってきたわね」
「水無月さん・・・肩書だけで実態が何もないよ。俺何にもしてないんだから・・・」
そう・・そして実力のなさを痛感させられた。
目の前で見せられた異次元の戦い2連戦、自分がいかにちっぽけな存在なのか思い知らされた。
「徹・・・大丈夫だよ徹はやれば出来るよ」
本郷さんが優しく僕を抱きしめる。
落ち込む俺を癒してくれる・・・なんて事にはならない。
背後から感じる冷たい視線。
それは俺を恐怖のどん底に落とす恐怖の視線。
「渡瀬・・・校長になったぐらいで調子に乗っているのかしら?」
「ないよ!そもそも校長になった感無いし」
「じゃあなんで2人くっついてそんな状態なのよ!」
「えー僕と徹の関係でなら日常の光景だよぉ」
「へーっ2人はそんな関係なの・・・?」
「違う違う」
「もう生徒会室が汚れるから出て行ったらいいんじゃないかしら?」
「まてまて生徒会室まで追い出されたら本当に住むところがなくなるぞ」
「私は賛成ですわ渡瀬家全員出て行ったらよそしいんじゃないかしら?」
「高峰さんひどい・・・」
「ひどくないですわ。むしろ生徒会室に家族で住んでいるほうがひどいと思いますけど?」
「それを言わると・・・」
返す言葉がない。
「じゃあ高峰さんの家で・・・」
「嫌ですわ」
「まだ最後まで言ってなんいんだけど」
「でも嫌ですわ。渡瀬家の人間を住まわせる気なんてこれっぽちもありませんわ」
「じゃあ僕の家に住んだら?」
「本郷さん・・・本当に・・・助かるよ。神だね」
「悪魔だけどねぇ。徹と一緒に住めるなら全然ウェルカムだよぉ」
「まってそれは良くないわ。渡瀬を本郷さんの家に入れたらエロ路線まっしぐら、不潔できもい事間違いないわ」
「俺もそんなにケダモノじゃないんだけど・・・分別あるよ意外と」
「いいえケダモノよ。渡瀬はケダモノ女子と一つ屋根にして無事に済むわけがないわ」
「えー僕は無事じゃなくてもいいなぁ」
「ほら今の段階でこんなにも不安要素しかないわ」
「でも他に行く場所が・・・」
「だったら良いわ。復帰よ。渡瀬犬小屋復帰よ。家族全員で犬小屋で生活すればいいわ」
復帰・・・これは喜ぶべきなんだろうか・・・?
「でも本郷さんの家なら人間の家に住める・・・」
「渡瀬!口答え無用よ。犬小屋に入りなさい」
「はい・・・」
こうして俺たち渡瀬家の家族は全員で水無月家の犬小屋に引っ越すこととなった。