スイーツ地獄、出口ナシ
「悪魔はねぇ・・・隠れてるよ」
「隠れてるってここでケーキを作ってる人たちは?」
「これ?・・・これは・・・殺したって意味ないよぉ」
そういうと本郷さんはベイカーの一人を指さす。
「炎!」
ベイカーが一瞬で焼き尽くされ消えた。
「ほっ本郷さん?」
驚きうろたえる僕をよそに本郷さんは微笑む
「問題ないよぉほら見てごらんよ」
燃え尽きたベイカーのいた場所に新しいベイカーがにょきっと生えてきた。
「こんなものいくら倒しても本体を倒さなかったらいくらでも生えてくるだけだよぉ」
生えてくる・・・ベイカーって生えてくる・・・雑草かよ。
とりあえず本体を見つけないと意味がないことは分かった。
「徹さぁ1人で本体探すの大変でしょ?」
「手伝ってくれるの?」
「僕は手伝わないよ」
「1人じゃ大変だって?」
「そうだよぉだからこの人たちも悪魔から解放してから探したほうがいいんじゃない」
「なるほど・・・それはそうだけど・・・本郷さんが手伝ってくれてもいいんじゃないの」
「僕は・・・ほら悪魔でもあるからさ悪魔とかあんまり殺したくないしさぁ」
「さっきベイカー瞬殺だったじゃん殺すって言ったり殺したくないって言ってみたりどっちだよ」
「さあどっちなんだろうねぇ」
「スイーツの悪魔の呪から覚める方法はただ一つ一生懸命真剣に作った美味しくないケーキを食べさせることだねぇ」
「ケーキを食べさせる?作らなきゃいけないの?本郷さん手伝って!」
「あー僕は無理だね」
「なんで?」
「だって僕料理うまいからさ一生懸命作ったら確実に美味しくなっちゃうからさ」
「じゃあどうすれば」
「徹が作るしかないんじゃない?だってケーキとか作ったことないでしょ?」
「ないけど・・・」
「じゃあ大丈夫きっと一生懸命作っても美味しくないからさ」
軽くディスられてる気がするんだが・・・俺だって一生懸命作ったら美味しいケーキぐらい作れる!!
・・・今回は作れちゃダメなんだが・・・。
急いで家庭科室に移動する。
さあケーキ作りだ!!
とは言ったものの・・・どうやって・・・?
とりあえず小麦粉、卵・・・あとなんだ?
ええいっ!わからないものを悩んでも仕方がない。
こうやって、あーやって、こうやってこうだ!!
・・・・・出来た!
出来たけど・・・なんだこれは・・・・黒く焦げたスポンジ、びちゃびちゃの生クリーム・・・とても人が食べるものとは思えないものが出来た。
とりあえず・・・相模原の口にケーキを入れる。
「ぐわっ何しやがんだ!甘いケーキが急に苦くなったぞ。何しやがった!!」
「大丈夫そうだなちゃんと出来た」
全員に食べさせていく。
「なにこれ?おいしいケーキが消えてしまったわ渡瀬!ケーキを返して!」
「水無月さんあのケーキは悪魔のね」
「ひどい味ですわね今食べさせられたケーキが悪魔的ですわね」
「高峰さん美味しい方は悪魔のケーキ・・・」
「こんなにまずいケーキ・・・あり得ない」
「そのまずいケーキでみんなを救ったのに感謝されてる感が全くないな」
「渡瀬状況を説明して!」
「いきなり?まず感謝的な」
「早く説明して!」
・・・・・・というわけで
「結局悪魔の仕業ってことね」
「水無月さん私こんな甘い罠にはめる悪魔を絶対に許しませんわ。あんなまずいケーキを作る渡瀬も許しませんわ」
「俺は助けたんだが」
「言い訳は要らないですわ!とりあえず悪魔はどこにいますの?」
「いやそれがわからなくて」
「この場にいた悪魔は本郷!亜里坂そして真田丸!このうちの誰かかしら?問い詰めましょう!」
「僕は違うよぉ」
「本郷・・・確かに犯人なら私らを助けたりしないですわね」
「では残り2人の悪魔が怪しいですわね」
「亜里坂逃げた怪しい・・・」
「香春さんが言うことはもっともだわ亜里坂さんケーキを見たときちょっと不審な動きしてたわ。ちょっと問い詰めてくる」
走り出す水無月さんだったが・・・ガツッ!!
阻まれた!生徒会室の出入口に阻まれた。
というより太りすぎて出入口の幅が足りなくなっている。
このままだと全員生徒会室から出られない。
「どうなってるのよ!!」
「太ってる!太ってるんだよ水無月さん!」
「ええっあー絶対に許せないわスイーツの悪魔絶対殺すわ」
「水無月さん生徒会室から出る事すら出来ないぐらい太るだなんてだらしないわね」
「高峰さんも一緒よ。太ってるわ」
「あああ、なんてこと私の作り上げた体系がこんなことに!!」
「出られないなら仕方がないわね」
水無月が銃をかまえた!破壊する気だ。
扉破壊して突破する気だ・・・まずいまずいよ。
水無月さんちょっと頭にきて暴走気味になってるよ。
「待ちなさい生徒会室での破壊行為は一切禁止ですわよ」
高峰さんが生徒会室の扉を守るために立ちはだかる。
「じゃあどうしろって言うのよ」
「外しなさい」
扉を外して入り口を出入り口を広くする。
「さあ行くわよ!!」
「あっ俺無理」
「相模原?なんで?」
「太りすぎて動けない・・・」
確かに丸くなりすぎて足が地面についてない。
もう移動は転がるしかない。
「仕方がないわね香春さん!行くわよ」
「無理・・・体・・・重い・・・」
「じゃあもういいわよ高峰さんと渡瀬で行くわ。渡瀬2人の分もしっかりやるのよ」
俺が?しっかり?3人で頑張っていくんじゃ・・・まあやるけど。
「じゃあまずは亜里坂さんから問い詰めますわよ」
亜里坂尋問
「あなたあのケーキが悪魔のケーキだって知っていたわよね」
「いや・・・」
「あの場に悪魔は3人あなたが1番挙動が不審でしたわよ」
「亜里坂さんがスイーツの悪魔」
「違う違うんだ私はスイーツの悪魔じゃない」
「じゃあなんで挙動不審だったのよ」
「いやあのケーキがスイーツの悪魔の仕業だって事はすぐにわかったんだけど・・・ほら・・・あれじゃん」
「なんですの?」
「同じ悪魔同士・・・売るのはちょっと違うかなって」
「やっぱり悪魔!仲間って事ね!」
水無月さんが亜里坂さんの眉間に銃を突きつける。
「違う違うそもそも悪魔に仲間なんて概念ないみんな1人だ・・・けど売るのは流石にって思ってその場を・・・だ離れただけで」
「本当かしら?」
「本当だってば信じてくれよ」
「悪魔を信じろって・・・まあ良いわ。亜里坂が違うとなると・・・・」
「真田丸ってことになりますわね」
3年の教室に異動する。
「真田丸」
・・・・はいない。
「逃げたわね」
「水無月さん真田丸を探しますわよ」
校舎内を駆けずり回り飛び回る水無月さんと高峰さん。
男子トイレも迷うこと無く躊躇せず突入していく。
待て待て男子トイレは俺が探すから!!
女子2人の突然の突入に純粋の男子高校生が動揺しまくってるじゃないか。
「どこにもいませんわね」
「亜里坂よ亜里坂に探知させるわ」
「そうですわね悪魔は悪魔を探知できましたわね」
生徒会室にいる亜里坂を囲む、そして水無月さんが銃を突きつけ高峰さんが亜里坂さんの喉元にカマを突きつける。
待て待ていきなり戦闘モードじゃないか。
「おいおい、なんだよ私が何をした!」
「真田丸の居場所教えてもらってもいいかしら?」
「いや真田丸とはいえ悪魔王を売るのは・・・」
「死ぬ?それとも言う?私はどちらでもよろしいのですよ?」
高峰さん影喜歌劇極端だよ。
「単なる脅しだと思わないで!悪魔相手なら躊躇なく撃てるわよ」
「水無月さん・・・おちついて・・・」
「渡瀬は黙って落ち着けるわけない!こんな体系にされたのよ。日々のダイエットの努力が完全に無駄にされたのよ!絶対に許さない!全員殺すわよ」
超目が血走ってる・・・これは無理だ・・・。
「亜里坂さん・・・ここは真田丸の居場所言っておかないと・・・ヤバイよ今の2人は本気だ」
「わっわかった。わかったよすぐ言うすぐ言うよ。真田丸は別館校舎の屋上にいるよ」
別館校舎屋上
「おいおいどうしたんだい2人とも・・・そんなに殺気立って銃とかカマとか人につきつけたら危ないじゃないか?」
「真田丸!あなたスイーツの悪魔?
「そんなわけないじゃないか僕は悪魔王だよ王なんだよスイーツの悪魔のわけがない」
「じゃあスイーツの悪魔はどこにいるの?」
「それはさすがに言えるわけないじゃないか?仮にも同じ悪魔の仲間・・・」
「悪魔に仲間なんて概念無いって聞いておりますけど?」
「いや・・・だよね・・・まあないんだけど・・・」