推薦人5万人の地獄
「渡瀬!!お前昨日バトルしてたらしいな!なんで俺に言わねえんだよ。俺がどんなにバトルを楽しみにしている事か!サイキックバトル見たかったー」
「そんな楽しいもんじゃないし、もうおまえがバトルしろよ」
「俺はやらねぇよ。見るのが楽しいんだ」
そうだ、このままでは本当に身が持たない。
超能力協会会長の推薦を取り消してもらうしかない。
「父さん・・・今ちょっといいかな?」
「別に構わんが中入って来いよ」
「それは無理だよ。俺はこの家の敷居はまたげない。知ってるよね知っててわざと言ってるよね」
「でも俺は家出たくないんだよ」
「なんでだよ」
「だってろくなこと言わないだろお前」
「ろくなことってなんだよ。超能力協会の会長の推薦取り下げて欲しいだけなんだけど」
「ほらろくなこと言わねぇじゃねぇか」
「だって大変なんだけど命とか狙われて変な刺客とか来るし」
「あーやっぱり来るんだ。だよなだから俺が候補にならないようにおまえを推薦しといたんだよ」
「自分の身を守るために息子犠牲にすんなよ。どうにかしてくれよ」
「どうにかって言われてももう推薦しちゃったしな」
「取消せよ」
「取消しても良いけど・・・たぶん手遅れだと思うぞ」
「なんでだよ手遅れってなんだよ」
「細かいことは超能力協会の本部に行って聞いてみりゃわかるよ」
「今説明しろよ」
「・・・・」
・・・返事はない屍のようだ・・・等とふざけている場合ではない。
くそ親父逃げやがった・・・が家の中に入れない以上逃げられたら何もできない。
仕方がない明日超能力協会の本部へ行って確認するしかない。
そして翌日
「なんで?」
「なんで?って決まってるじゃん徹が行くなら僕も行くに決まってるじゃん」
「まあ本郷さんは超能力者だから・・・まあギリわかるとして・・・なんで?なんで水無月さん?」
「なんで?あなたたちが、いやらしい事しないようによ」
「しないよ」
「しないよねぇ僕たち一緒にお泊りして訓練したりするだけだよねぇ」
「今日はお泊りしないし誤解を招くような発言しないでよ」
「えー残念だなぁ」
「ねぇ本郷さんさ、渡瀬とくっついて歩きすぎじゃない?ちょっときもいんだけど」
「そんなことないよぉ僕と徹は仲良しなんだからさぁ。あれだったら水無月さんもくっついたら?徹の左側空いてるよぉ」
「いやよ気持ち悪い」
「素直じゃないなぁ」
なんだろう、和やかにギスギスしてる。
早く本部に着きたい。
生ぬる〜く嫌な空気のまま超能力協会本部に着いた。
「あれどうしたの?」
「あ!ボンバーじゃん」
「ボンバーじゃないわよ掛川よ掛川洋子、呼ぶなら掛川さんでしょう相変わらず失礼ね本郷は」
「へへ褒められちゃったよ僕」
「褒めてない褒めてない」
「っでどうしたの今日は?」
「あの・・・会長候補辞退したいんだけど」
「辞退ね。簡単よ推薦人より多くの反対する人の署名があればすぐに辞退出来るわ」
「本当に?じゃあ本郷さん署名」
「嫌だよ僕は徹に会長になってもらいたいんだからさ」
「水無月さん!」
「私は超能力協会の人じゃないしそもそも会長にすらなれないような人には興味が無いから」
なんて事だこの場で即辞退しようと思ったのに・・・。
「あっでも渡瀬君の場合は大変よ」
「何が?」
「今ね会長候補反対の署名って23名分来てるんだけどさ」
「じゃもう辞退出来るじゃん」
「それがねえ・・・推薦人は5万人以上いるのよ」
「なんで?なんで?なんでそんなに俺を推す人がいるの?そもそも俺そんなに知り合い居ないんだけど」
「お父さんの力ね伊達にランキング№1じゃないのよね」
「どういうこと?」
「あなたのお父さんのファンがあなたを推してくれているのよ」
「迷惑・・・すごく迷惑なんだけど」
「じゃあいっそもう僕と一緒に反対派全員殺しちゃう?平和な生活が送れるよ」
「本郷さん・・・そんなことしたら新しい反対派が生まれるよ」
「じゃあもう会長目指すぅ?」
「それはそれで気が重い・・・」
「よかった超能力協会の会長すらなれないような人好きになれないから」
「えっ今・・・」
「何にも言ってないわよ」