スィンバレる2
とりあえずカマイタチ兵の
被害を抑えようという目的を定めた瞬間、
丁度近くで破壊音が鳴った。
アタシは
まあ、凄い初見殺しだわな、、、
ラベンダーエリカが弱体化したわけでもないのに
ここまで騒げちゃうんだから。
そう言って立ち上がり
ドペルやエンヒョウと共に行った。
音がした所にきてみると
服がボロボロだったり腕が切れてる奴もいたりと
なかなかエグい光景だった。
ただ誰も殺されていないのを見るに私達の時のように
敵を撤退させた後だったのだと推測できた。
ラベンダーエリカの一人が
ドペルさん、、、
奴らの手際、相当良いです。
このまま繰り返されたら民間にも死人が出ますよ。
そう状況を報告した。
そしてもう一人のラベンダーエリカの一人が
エンヒョウ様から聞いたスィンとかいう奴も
早めに対処しておきたいんですが、、、
どこにいるか分かんないですね、、、
そう言ってきた。
アタシはそれを聞いて察し、エンヒョウの方を見て、
エンっ、あんた、、、!
あいつ殺すつもり!!?
そう言った。
それに対してエンヒョウは
ああ、ただ死なすのではなく迅速の拷問でだ、、、
コネクション使って伝えといた。
逆に生かしとく理由があるのか!?
奴らに容姿も似てるし名前を呼ばれているのだぞ!?
関係があるのは明白だ!
奴らの態度からして
人質として役立つか怪しいのはわかるだろう!!?
そう言った。
それに対してアタシは
確かにあの状況じゃ信用できないだろうけど!
さっきみたいな奴らじゃ絶対ないから!
そう言った。
それに対してエンヒョウは
じゃあ聞かせてみろ、、、!
どうやってあいつが私たちの仲間になれるのか、、、
そう言ってアタシを睨んだ。
するとその様子を見たドペルが
、、、私から先に言う。
スィンが弱すぎるんだよ。
事前に私達がさわって調べたけど
戦士として肉体も薄くするコネクションの練度も
あまり良いものとは言えない。
一般人と変わんないくらいだぜ?
そう淡々とつげた。
それに対してエンヒョウは
それはお前の主観だろう!!?
その感性で奴を助けるなら、、、
お前がこの島でもう歩ける事はないぞ、、、!!!
そう言って断固拒否という意思を表した。
するとドペルは
、、、良いぜ?
肩書きがなくとも私の望むものさえあれば
人々を絶望から助けることは出来る。
幸せになれるんだ。
そう言って走り去り一瞬で見えなくなった。
因みに
アタシはラベンダーエリカの子たちを
治療するために残った。
そして去るのを見るしか無かったエンヒョウは
脅しも効かない、
失敗する可能性が高いのに
何でもかんでも自分の思うようにしたがるわ、
老い先短いくせに異世界の者と何か企もうとするわ、
何故こう突発的で無茶苦茶なんだぁ!!!
、、、だ か ら ぁ!!!
強大な力を持ってる奴は大体嫌いなんだぁぁぁ!!!
そう叫んだものの虚しく響くだけだった。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
スィンは逃げていた。
あのカマイタチからもアタシ達からも逃げていた。
ズガゴォ、、、と何かが壊れる、
多くのカマイタチ兵たちが
フォーチュネ国で暴れている音を聞きながら。
そして逃げを繰り返し、
疲れ切って壁に横たわったところで、、、
バニングとウォルターに見つかっていた。
バニングが
何で、、、逃げちゃったの?
そう聞いてきた。
スィンは目と口を大きく開けてから
、、、!
そりゃ怖いからに決まってんでしょうよ。
そんな感じで驚いた後、
自身の気持ちについて冷静に答えた。
それに対してウォルターは
それは後でいいわ。
ねぇ、アイツらの正体は何なの?
と質問していった。
それに対してスィンは
あんたは尋問するんだね、、、
まあ、あれは、、、私のクローン?なんだって。
うちの皇帝、モディ様が言うには。
ははは、、、
そうあっさり言った。
その瞬間。
スィンの頭を覆うように水玉ができ、
スィンは息ができなくなり、もがき始めた。
バニングが
ちょっと、、、!
そう言って制止しようとしたものの
それに対してウォルターが
裏切りには容赦なくしてたでしょ。
バニング?
そう言って続けた。
十秒経ち、ウォルターの匙加減で
スィンは解放された。
もう顔も上げれないほど限界だった。
そしてウォルターが
あなた、、、本当にアイツらと一緒なの?
動きも鈍ければ殺気も全然出せてないし、、、
諜報員だとしても弱すぎるわ、、、w
そう嘲笑った。
するとスィンが
、、、ああ、そうだよ。
私はぁ!
ただの一般人でぇ!
あいつらは
いろんな物入れられて強化されたクローン!
オリジナルが負けて、、、何が悪いのっ!!?
そうキレながら声を上げた。
続けてスィンは
ただ呑気に暮らしたかった、、、
でもコネクションを持ってるから
兵隊になれっていわれて、、、
最初はこの国を幸せにする為って思ってた。
でも待遇は酷くてクローンは私のこと虐めてくるし、
私は弱いから歯向かえないし、期待もされてないし、
先鋒としてこの世界に入ったは良いものの
私には人を殺す勇気もないし、
戦いで傷つきたくもないし!
飢えに限界が来て金目の物を盗んで
食い繋ごうとしたら未遂ですごい強い人に捕まるし!
あーあ!!!
そして今なんにもうまく行かなくて死ぬんだぁ!!!
そう自身の状況をヤケクソ気味に叫んだ。
怒涛の愚痴の中にあった
モディに反応したバニングとウォルター。
そしてバニングが
犯罪起こしてるから褒められた物じゃないけど、、、
そう言い
ウォルターも
逃げないなら監視くらいにしとくわ。
そう言った。
それに対してスィンは
え、、、殺さないの、、、?
そう言った。
それに対してウォルターは
勘違いしないことね、、、
あなたはその国の事を教えてもらうわ。
そのモディってやつのことも。
そう言ってから後ろを振り向いた。
バニングも
私たちの今の役目は国を守る事。
そのためなら何でもする。
因みにあんた手伝わないとやばいよ?
そう言ってから後ろを振り向いた。
するとその先では
裂け目とカマイタチ兵がもう出てきていた。
バニングとウォルターはやる気。
スィンは逃げたかったものの
さっき言われたこともあったので
動こうとはしなかった。
裂け目から出てきたカマイタチ兵が開口一番
スィン、、、!
役立たずのくせに敵にまで媚を売るとは
とんでもないクズっぷり、、、!
もっと痛い目に、、、!
そう鉄槌を下すかのようなことを言おうとしたら、
ド バ ゴ ォ !!!!!!!!!
後ろから爆音が鳴り響いた。
しかも音の正体は裂け目の中からなっており、
出たばっかりのカマイタチ兵も
後ろにがっつり食らっていた。
そしてバニングとウォルターが
ヨシッ
と言ってニタリと笑った。
それを見たカマイタチ兵は
ぐぐっくぅぅぅ、、、!
お前らっ!
一体何をしたぁぁぁぁ!!?
そう叫びつつも
背中をやられたせいかよろよろとしか立てなかった。
それを聞いてバニングは
スジキバーハだよ。
あっつい水が弾けるやつ。
絵本にも載ってるのに知らないの?
そう言った。
それに対してカマイタチ兵が
知ってはいる!!!
だが、予備動作さえ、、、
そう疑問を持ち、言ったものの
帰ってきたのは凄くシンプルで有用な答えだった。
ウォルターから
何言ってるの?
別に手から打つ必要はどこにもないじゃない?
そういう答えが帰ってきたのだ。
それに対してカマイタチ兵は
ははははは!!!
そ、、、っか、、、!
確かにそうだ!
そんな事に気付かずやられてしまうとは
本当に情けない話、、、
だ よ っ!!!
そう叫びながら最後の斬撃を横払いでやってきた。
それに対してバニングとウォルターは
動くこともなく、炎と水の体で完全に透かした。
しかも
スィンも斬撃の延長線上にいることを
知っていたが、、、
斬撃だけ見えるように
スィンの前方以外が氷で囲まれていた。
スィンは
え、、、
嘘、、、!?
何、、、!?
死、、、!?
嫌!!!
そう心で思い、
必死でなんとか斬撃を空に向けて
平べったくして止めた。
ウォルターが振り向いた時に
致命的な攻撃じゃなかったけど、、、
反応いいじゃない、、、
逃げなかったわね♪
そう言った。
バニングも
まあ、いつでも助けられるわけじゃないからね。
裏切者とか真っ先に狙われるそうだから
せっかく力があるなら自衛も頑張ってもらわないと!
そう嬉しそうに言って目をキラキラさせていた。
スィンは
この人たち、、、
無茶振りしすぎでしょ、、、!!?
そう思ったものの
自分が逃げなかったという事に驚いていた。
ウォルターが
さて、まだアイツらが出てくるかもわからないし、
警戒しながら帰って、、、
そう言ったその時、
バ ヂ ヂ リ ィ っ !!!
そんな音が鳴り、周りが一気に明るくなった。
そしてその先にいたのは
借りを返せそうねぇぇぇ?
あなたたちに、、、
そう飄々として言ったのは
異質なオーラを放つ獣人だった。
姿はちがうものの
バニングやウォルターにとっては
モディフィカにしか見えなかった。
しかも空中からうっすら裂け目が複数出てき始め、
カマイタチ兵も対処しなければいけないという状況。
その時瞬時にウォルターは
もっかいやる、、、?
バニングにそう言ったが、
バニングは
私たちはすり抜けるけど、、、
多分視界悪くてスィンが攻撃捌けずに死ぬね、、、
そう言ったものの
大爆発で誤魔化して
仲間の元まで逃げるくらいしか思いつかなかった。
あまりの唐突な数攻めに対して、動けないスィン。
しかしここでキツい状況の中、
何かが空中で舞い、
裂け目に突っ込んだと同時に
ゔっ
と声にならない声が聞こえ、
裂け目が瞬時に引っ込んでいった。
そしてその風を起こした正体は地面に着地し、
モディフィカに面と向かい、
よお、、、
私はドペルってんだ。
あんたも名前教えてくれるかい?
そう言って口元は笑い、目は鋭くして構えていた。
それに対してモディフィカは
へぇ、、、
トオル達だけじゃなくて、、、
まだ面白そうな奴いるじゃなぁい、、、?
そう言ってにたりと笑った。