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ドペルら、発つ。

フォーチュネ国のハズレのハズレ。

辺鄙な場所に一つの都市があった。

そこはお世辞にもいい場所とは言えなかったが、、、

アタシ達にとっては、、、、、、


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、


ある日、そそくさと歩く奴がいた。


そしてこの都市でこういうのをする奴は

大抵、窃盗や傷害等の何かをしでかした奴であり、

住民もその事に気づいているのだ。


しかし、誰も止めようとはしない。

たった一人がその役を仕切っているのだから。


ややっ、そこの少女。

その口ん中に隠してるのは、、、何だい?


こう言ったのはドペル。

さっき書いた”その役”の奴だ。


それに対して例のそそくさちゃんは首を横に振り、

口を大きく開けた後、

口を窄め、

口の中に何も無いと身の潔白を証明しようとした。


だがその瞬間。

ドペルの手はそそくさ君の足を掴み、

彼女の体を上下反対に回転させ、

残った片腕で彼の至る所を殴りまくった。

そして彼女は

あまりの痛みに耐えかねて何かを吐いた。

ガランゴロン、そんな音を立てながら。

中身は高そうなアクセサリーだった。


アクセサリーを拾いつつドペルはこう言って去った。


私の仕事を増やすなよ。

これの持ち主諌めるのに結構苦労するんだからな?

あと、口の中の袋取っとけよ。

息しづらそうだぜ?


それに対して

そそくさちゃんは

呆けるしかなかった。


しばらくして、、、

ドペルは一仕事終えた後、

空を見つめながら地面に座り込んだ。


そしてそんな彼女に近づく老人が一人来て


調子はどうだ?

楽しんでるか?


このようにからかってきた。


それに対してドペルは


前よかマシです。

それにしてもこんな辺境には

二度と来無いと言っていたのに、、、

何の用で来たんです?

チュウジュウさん。


そう冷静に言った。


それに対してチュウジュウは

重苦しそうにこう言った。


、、、フィジの寿命が近いそうでな。

奴自身が言ったのだから間違いない。

見舞いにでも来てやったらどうだ。



それに対してドペルは


、、、分かりました。

ただ

後継の話は彼女が死んだ後に決めさせてください。


そう悲しそうに言った。



それに対してチュウジュウは


確かに急いで決めるのは駄策だな。

最近平和だから余裕もある。

まあ、考えてみろや。


そう言ってその場から去って行った。



会話の流れからわかると思うが、

後継とはフィジシャンの後継の事である。


ドペルが断るのには理由があった。


フィジシャンの作った治安維持組織、

ラベンダーエリカ。

そしてドペルもそこに所属していた。


彼女には爆弾があって、それは本気を出すと

コネクションも同時に発動するというものだ。

しかも体が壊れるタイプのやつ。


だだ、本気を出しきれなくても彼女は強かった。

組織内ではフィジシャンに次いで強かったのだ。

仕事も一番やった。


だが、


次いで


であり、

爆弾もある自分は

ふさわしいとは思えていなかったからだ。


さて場面は変わり、

例の都市の地べたでドペルは何もする事なく、

数十分、空を見上げて三角座りしていた。



それを見た住人は


あんなにぼーっとしやがって。

初めてだぞこんな事、、、


そう言って少々驚いていた。



そこに例のそそくさちゃんがやってきて


そんなに珍しい事なの?

私、あいつのこと知らないから、、、

なんで皆そんなに騒いでんのかわかんないよ。


そう言って冷めた目で見ていた。



それに対して住人の男が


ああ、、、

いつもこの国を動き回ってるらしいんだよ。

全然眠ってないって噂も立ってるんだぜ?

そんな奴がこうしてじっとしているんだ。

そりゃ驚くだろう?


そう言ってそそくさちゃんに同意を求めた。



それに対してそそくさちゃんは

なるほどといった感じで納得していた。


そんな時だ。


ドペルを見る集まりの中から一人の婆さんが現れ、

ドペルに近づいていった。



そして

真っ先に気づいていたドペルは婆さんに向かって


死にかけじゃなかったんですか?

フィジさん。


こう言った。



それに対してフィジシャンは


締めの仕事をしに来たんですよ。


そう言った。



そしてその瞬間。

目に見えず、

周りにいた殆どの民衆の腹に穴が空いた。



それを見たドペルは


、、、一応聞きますけど何故?


狼狽えもせずそう言った。



それに対してフィジシャンは


あなたが前に失敗した時、

私が死ぬまでに

課題をやってもらうと言っときましたよね?


そう言いつつ薄刃の得物を構えたのだ。



それに対してドペルは


何も教えてくれなかったけど、、、

もしかして、、、

あんたを認めさせるやつだったりする?


そう言って拳を構えようとしたが、、、

その瞬間にはドペルの右手に得物が刺さっていた。



険しい顔になったドペル。



それを横目にフィジシャンは


そうなんですが、、、期待はずれだった様ですね。

コネクションを使えてない。


そう言ってよそ見をした。



それに対してドペルは


あんたがいろんなもの詰め込んだから、、、

使いこなせてないだけだっつーのっ、、、!


そう言って

すぐフィジシャンの懐に入ろうとした、、、が、

しっかり曲げた左腕を

フィジシャンに握られ、

背中から地面に叩きつけられた。



その後フィジシャンは

あえて傷つけなかった者1人に近づいた。

それは例のそそくさちゃんだった。



フィジシャンは


コネクション持ち、、、

薄くなるものみたいですね。

剥がせば結構使えそうなもんです。


そう言ってそそくさちゃんの腕を掴んだ。



あ、うあ、あああ、、、、


そう言って狼狽えるしかないそそくさちゃん。



ドペルが


それはそいつの力だ、、、!

私たちの勝手でコネクション抜いて殺すなよ!!!


そう言って足を踏み出したものの

反撃させてすらもらえず、

両足に何本もの得物を刺されてしまった。



もうドペルだけではどうにもならなかったのだ。

それを見たフィジシャンはドペルを見限り、

振り返り、去ろうとした。


アタシこと、

透が何もないところからフッと生成されたまでは。


見た目はドペルが髪型変えただけみたいなのだが、

中身は間違いなくアタシだ。


いきなり現れたアタシに驚いたフィジシャンは

アタシの方にそそくさちゃんを投げ、

アタシもそれに伴いちょっと吹っ飛び、

フィジシャンとの距離ができた。



フィジシャンは


別人格、いやトオルですか、、、

成程、、、分身だけを出せるようにして

体への不安を少なくした。

そしてついでにその内の一体に入り込んだと。

しかし能力が使えるのなら何故使わなかったんです?


冷静にそう言った。



それに対してアタシは


アタシが止めてたんだよ。

前みたいにぶっ倒れたら敵わないでしょ。

無くても治安維持できてるし、、、

まあ、本人はだいぶ不服そうだったけど。


そう言った。



更にアタシはそそくさちゃんに


ちょっと貸してくれる?

あんたの力。


そう言って彼女の手を握った。



それに対してそそくさちゃんは

”自分が生き残るにはこれしかない“

そんな気持ちで握り返してきたようだった。



期待に応えるためアタシは


、、、おっけぇ♪


そう言いながら

フィジシャンに突撃したと見せかけて

一瞬で彼女の背後にワープし、低姿勢で貫手をした。


しかし、


無駄ですよ。


そんな声がした瞬間、いつのまにか

読み切られて顎の下にナイフを当てられていた。

アッパーを喰らったような感覚。

それで思いっきりのけ反ったアタシ。


だが得物を仕掛けたフィジシャンは少し驚いた。

何故なら得物の刃が

布のように彼女の手に被さっていたからだ。


フィジシャンは


刺さった瞬間に

対応できたからあの女の薄くするコネクションで

顔が裂ける事を免れたか、、、

私の速さには対応できなかったから

自動でこうなるように設定をしたか、、、

どちらにしろあの一瞬でやるとは、、、


そう感心してもいた。


だが、すぐに感心は消え、

フィジシャンは後ろを振り向いた。


アタシに気を取られていた隙に

ドペルが彼女に近づいていたからだ。


そしてドペルの右ストレートは

フィジシャンの拳に一発、、、当たった。


だが、疲労が溜まっていたのだろう。

ドペルの意識はそこで無くなった。



フィジシャンは


、、、全く。

私が居なくなったらこの国を守るのは

あなた達なのに、、、

トオル!

私はしばらく、島の外で待ってます。

来なかったら殺しますから。


そう言ってどこかへと消えて行った。



、、、あれはガチだわ。


アタシはそう思いながらも

どうにもできるわけなかったので

淡々とドペルの介抱をしに行った。


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、


ドペルが目を覚ました時、

アタシはドペルを抱え、

そそくさちゃんと例の街を去っていた。



アタシが


おっ、起きた。

あんたのおかげで助かったよ。


そうドペルに言った。



それに対してドペルは


私に労いはいらねーよ。

、、、別にフィジさんは

あの人たちを殺すつもりは無かっただろうし、

本当に殺されかけたのは

そこにいるそそくさちゃんだけだろ?

殺したらコネクションが

手に入るとか嘘だろうし、、、


そう言ってテンションを下げていた。



それに対してそそくさちゃんは


はあ!?

じゃあ何で私だけが殺されなきゃいけないんだよ!


そう声を荒げた。



それに対してドペルは


さあ?

分からん。

私のことも昔は器にしようとしてたのに

何でこうもあっさり諦めたのか本当に分からねー。


そう言った。



それに対してそそくさちゃんは


器、、、?

あんたあいつとどんな関係なんだよ?


そう言った。



それに対してドペルは


乗っ取られるとか?


そう淡々と言った。





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