蘇った雷2
わかっていると思うが、先ほど大暴れした
この獣人の正体はモディフィカだった。
奴は異世界転生者となったのだ。
そして、奴は転生先で様々な発見をしていた。
世界を侵略しまくる中、、、
モディフィカはしっかり研究もしていたのだ。
この世界に
コネクションっぽい能力は無いように見えるわぁ。
水や炎を出すような奴が見つからないし。
でも存在はできている。
現に私が使ってるもの。
それに、、、
モディフィカはそう思いながら
拘束した一般の獣人の毛をとって特製の液に浸し、
拘束した人に近い型のケモ耳獣人にそれを飲ませた。
すると、、、
人に近い型の獣人は体にヒビが出ながらも
っぐっぐぁつがァァァァァつ!!!?
そう叫んで
先ほどの一般の獣人と
似たような姿になってしまった。
うん!!!
十回目でも成功!!!
前世で透の髪の毛取り込ませた時と
ほぼおんなじ反応だわぁ。
やっぱり
この世界にもコネクションは存在する、、、!
モディフィカは
そう言ってワクワクしていたのだった。
世界侵略を始めてから一ヶ月。
モディフィカはある家に突撃した。
それは”ワー”と名乗る者たちの家。
邪魔者を消し、
首領の元に難なく着いたモディフィカ。
そしてモディフィカは首領の目の前で言った。
良い家住んでるわねぇぇ?
こっちの”世界”じゃ明らかに不自然だけど。
それを聞いた”ワー”の首領は一瞬ビクッとした。
そしてボソッと言った。
奴を倒せなかったのだな、、、
タイ•ワー、、、
それにモディフィカは耳を傾げて言った。
、、、?
多少は名が通っているから知ってると思うけど、、、
私はタイワーなんて名じゃないわぁ。
だが、それを無視して首領は言った。
大体っ!!!
奴が悪いんだ!!!
この負けた側の世界の住民を畜生にしてっ!!!
人の殆どに知能や
手の器用さも損なわれたこの野蛮な世界を
我らの先祖に押し付けた、、、
ああ、、、ああああああああああああああっ!!!!?
そして発狂し、気絶したのだった。
それに対して心配もせずモディフィカは思った。
畜生にしてってことは、、、誰かにされたって事で
この世界の住人は
もともと獣要素が混ざった姿じゃなかった?
負けた側の世界?
つまり勝った側の世界もあるって事?
というか世界同士の戦争があったって話、
どこかで聞いた気が。
、、、あ。
モディフィカがついに何か思いついた瞬間、
誰かが来て言った。
ツチ•クレです。
モディ様。
暴れたせいでこの家も崩壊しそうですし、価値のあるものだけ荷物として乗せて家と
奴らは燃やしてしまいましょう。
ツチ•クレは前に書いた元監視役の彼である。
モディフィカから名を貰っていたのだった。
それに対してモディフィカは
待って、
やるべき事があるからこれ以上壊しちゃダメ。
人もこの家も一欠片も。
ぜ っ た い ね ぇ ?
そう言って彼に念を押した。
彼は前のように気おされて
え?はいっ!!!わっ、わかりました!
大声でそう言ってしまった。
こうしてモディフィカは
この世界で一番貴族に近しいワー家と
この世界の核心の情報をゲットしたのだった。
核心の情報はワー家の
地下に封印されてある書物にあった。
それを読んでみると、
モディフィカの思った通り。
女神様の話とこの世界は繋がっていた。
女神様の言っていたもう一つの世界というのが
この獣人の世界だったのだ。
女神様が戦争を終わらせた当初、
勝った側の世界に用意した統治役が光の一族。
負けた側の世界に用意した統治役がワー家であった。
そして負けた側は戦争を仕掛けた事、
負けた事が原因で
数百年コネクションにより、
獣化の苦しみを受ける事となった。
さらに情報を読み進めていくモディフィカ。
その中でふと見つけてしまったものがあった。
それは羽の生えた爬虫類。
いわゆるドラゴンの絵であった。
その横に書いてあるのは
特別枠でドラゴンの祖先は向こうの勝った側の世界に
行ったという情報だった。
そんなざっくりとした内容を見て
モディフィカはこの時ポツンと言ってしまった。
ドラキィン、、、
頼み事守ってくれた、、、?
いや、、、無理か。
あんな戦いの中、一人で生きられる訳ないもんね。
龍よだれ、、、試してあげたらよかったかなぁ。
書いてる途中に失礼するが、
アタシは取材中に
これをモディフィカから知らされた時、
本当に言ったんだろうかとマジで驚いた。
さて話は戻り、
また時が経ち、、、
国を作り上げ、
圧倒的な強さと手駒を手に入れたモディフィカは
素材をかき集め、
ついには様々なものの製作を始めた。
まずモディフィカはインフラを設けて、
国民の士気をあげた。
それも劇的に作るのでは無く、
調節も欠かさなかった。
一切の衰退をも許さぬ
完璧な国づくりを目指していたのだ。
何故そこまでモディフィカが頑張るのか。
それは、勝った側の世界を返り討ちにしたいから。
アタシ達やその後継が
もし負けた側の世界に侵攻してきたら
こんな横暴はできないだろうと考えたのだ。
そしてモディフィカの目的の鍵となるのは
異世界転移装置。
勝った側の世界と負けた側の世界を
繋げるものだった。
しかし、、、
モディフィカの計画はここで行き詰まった。
そしてこう嘆いた。
あぁ、、、!
なんと無くわかってけどぉ、、、!!
思い通りには行かないわぁぁぁ!!!
女神、
つまりヒヨージョの話なら向こうと地形はほぼ同じ。
だから世界同士の緯度経度の座標を繋げる装置を
今私の住んでる島に置けば、
向こうの人が住む島へ楽に行けるのに、、、
やっぱりぃぃぃ!!
妨害されて、
尚且つ突破口が全くわからないわぁぁぁ!!!
そう、二つの世界はどっちも
人の住む用の島、
資源をコネクションで共有、
調節する為の島に分かれている。
別の世界から人の住む島の資源を取り放題だったら
物の奪い合いが始まるので大問題。
それはモディフィカも話していた事で、
女神様に関しては
”人の住む用の島に”対策をしていたのだ。
となると、、、
モディフィカが異世界転移する方法は一つ。
人の住む用の島の外から行く事。
だが、、、モディフィカはこう言った。
行きたく、、、ないわねぇ。
ああいう所が一番苦手だわぁ、、、
数ヶ月後、、、
遠征部隊が結成され送り出された。
モディフィカ、ツチ•クレ、それとなんだか鋭い目つきをして鎖に繋がれた獣人が
少し大きな船に乗っていた。
ツチ•クレは不意に言った。
少なく、、、ないですか?
モディ様。
鎖に繋がれた奴らは
貴方を殺したがってるでしょうし、、、
実質二人で遠征な訳ですが。
後、、、この被り物は一体何なんです?
息しづらくてしょうがないんですが。
それに対してモディフィカは言った。
二人くらいが丁度いいの。
あとそれ死にたく無いなら
しっかり被っておくことよぉ。
私、数十回目でも外出て死にかけたことあるから。
それに対してツチ•クレは驚いて言った。
え?
そんなに島の外に行った事があるんですか!!?
壁もあってめんどくさい、行方不明者も出るし、
例え魚とか獲ってきたりしても渋みがあって
クソ不味くて食べられないから
行く価値のないはずのあの場所を。
それに対してモディフィカは言った。
ええ。
ドラキンっていう友達と向こうの世界でお忍びでね。
、、、なんでその魚に渋みがあるか知ってる?
それに対してツチ•クレは横に首を振った。
モディフィカはそれを察知してからはっきり言った。
、、、毒があるからよ。
そこら中に漂ってて
最終的に頭と体の動きがほぼ死ぬ。
しかもある一定の量まで取り込まないと
身体の異変に気づく事がないタイプ。
私はそれに油断して殺されかけた。
ドラキンがいてくれなかったら、、、
ほんとに死んでたの。
そうしてモディフィカはしんみりした顔をした。
察しの良い方ならお気付きだろうが、
ヤミィが強敵もいなかったのに
やられた理由はコレだった。
頭も体も動かせなかったヤミィが手掛かりも残せず、
安全な島で暮らす仲間に羽で”危険だ”
と伝えるしか無かった理由もコレだった。
ツチ•クレはしばらく沈黙してから聞いた。
、、、?モディ様。
貴方がいた世界?では
コネクションで
外の世界から素材を得られるんですよね。
それに対してモディフィカが
それ前に話したじゃなぁい。
外の世界の珍しい魚とかも
たまに食べられた事とか、、、
そう言おうとした瞬間。
ツチ•クレが言った。
そこですよ。
取り入れられた物には
貴方を殺しかけた毒がついてるんでしょう?
何で楽しかった記憶みたいに話してるんですか?
それに対して
モディフィカはテンションアゲアゲで言った。
っ!!!
そこに気づくとはさすが私の助手ねぇぇぇ!!!
答えを言っちゃうけど、
コネクションを経由した物には
毒は付かないのぉ!!!
要らない物は取り除き、
要る物はいっぱい手に入れる。
それがコネクションなのよぉ。
ち な み にぃ!!!
この毒の原因もそこにあると思ってるのぉ!!!
外の生物達を何百種類も
私の住む島に連れてったんだけどぉ、、、
一日も経たず全部死んだのっ!!!
私の思う最強の環境を
整えたのにも関わらずね、、、!!!
ここで私が真っ先に考えたのがぁ、、、
アイツらは私達の生きる世界で生きられない。
という事は、コネクションで私達に奪われちゃうから
女神がアイツらに私達の要らないもので
生きれるよう進化させたんじゃ、、、?
空気とか発生させるのを
形骸的に残しつつ、、、!!!
ってねぇ。
ってあら?
つらそうねぇ。
もうやめときましょう。
モディフィカの剣幕に押されて
ツチ•クレは白目をむいていたので、
モディフィカはこの話を止めた。
さてそんなこんなで
未踏の地に上陸したモディフィカ達は
少しひらけた場所を目指し、
そして見つけるたびに
扉型の異世界転移装置を使い、、、
先に鎖に繋がれた獣人を一人押し入れた。
世界が違えば
座標が同じでも状況が同じとは限らない。
モディフィカはそう考えて
危険が何も無い安全を確認する為の
手法をとったのだった。
しばらくして、、、
特に何も変化が無いと確認したツチ•クレは言った。
もがく様子がないという事は、、、安全ですかね。
でも、貴方に何かあったら嫌なんで、、、
先に入らせていただきます。
それに対してモディフィカは
ええ、ありがとう。
笑顔でそう言って見送った。
しかし、、、ツチ•クレは
囮の獣人の首根っこを掴みながら、即帰ってきた。
モディフィカは驚いて聞いた。
えっ、速い、、、?
何かあったのぉ?
それに対してツチ•クレは言った。
コイツ、、、わざと何もしていなかったんです。
向こうにいた
眠る化け物と私らを対峙させるためにね。
私が入った瞬間に
大声出して起こそうともしてきました。
それをすぐに理解したモディフィカは言った。
、、、化け物ねぇ。
取り敢えず、見た目はどんなのか教えて?
それに対してツチ•クレは言った。
鱗があって、、、
翼があって、、、
その瞬間。
ピク、、、とモディフィカは耳を動かし、
すぐさま異世界転移装置の中に入ろうとした。
それを見たツチ•クレはモディフィカを制止しながら
何やってんですか!!?
向こうには化け物がいて多分もう起きて、、、!!!
そう言いかけた。
しかし、モディフィカは話も聞かず、
ツチ•クレの制止を振り払い、
入っていってしまったのだ。
そして中に入った後、
モディフィカは例の化け物に語りかけた。
、、、すごいわねぇ、ドラキン。
回収されてないって事は、、、
本当にアイツら振り払ってきたんだ。
モディフィカの目の前には龍がいた。
それは彼女の旧友であるドラキンだったのだ。
更にモディフィカは
ドラキンの体をまさぐりながら言った。
寝てるんじゃなく、死んでるわぁ。
さっきは気づかなかったけど
顔が半分吹っ飛んでるから
長生きは出来なかったのね、、、
しかも手をあからさまに隠してるから、、、
持ってきてくれたのよね。あれ。
、、、本当にありがとうっ、、、!
ありがとうっ、、、!!
ありがとおっ!!!
そして泣いた。
クズの目にも涙というやつだろう。
モディフィカはこれを収穫として調査を中断した。
モディフィカはドラキンを回収し、
自身の拠点のある島に帰ってきた。
そしてまたドラキンに話しかけるのだった。
私さぁ、
今まで適当に考えてたのぉ、、、。
ただ実験して、、、
それを邪魔してくるような奴を徹底的に潰して、、、
それでいいやって。
でもさ。
最初からついてきてくれた
貴方が今ここにいないのが、、、
今更になって、、、
すごく違和感なのよぉ、、、!!!
そこで私思いついたの。
ヤミィがあんなに私に突っかかってきた理由。
恨みや憎しみってああゆう事なんだなって。
だから、、、本気で向こうを潰すつもり。
あなたと私の恨みつらみをあの島へ、、、
叩きつけてやりましょおおおおっ!!!?
ふふふふふふ、、、、、
ハハハハハハハハハハハハハハハハぁぁぁぁぁっ!!!!
ここでモディフィカの話は一旦終わる。
そして次からは、
アタシや一緒に戦ってくれた奴らの話だ。