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9 王子と2か国目


 晩餐会の後、アルベルト達は数日間トリニスタン国を視察をしてから、次の国へと出立した。

あれから王妃とは全く会うことはなかった。

 再教育をさせるために、戒律の厳しい修道院に預けたそうだ。


「かなり泣かれたんだがね、国賓への挨拶もできない王妃では・・・。

まあ、教育が進めばそのうち?戻ってこられるから、いい機会になったよ。

私が連れてきたんだ、最後までちゃんと向き合うつもりだよ」

ロイド王はそう言って遠い目をしていた。


あの我がままで尊大な第1王子は、ガルードにしっかり教育をされているようで、アルベルト達にお別れの挨拶をしにやってきた。

「あるべるとでんか、わがくににきてくれてありがとう」

「ガイド様、ございます、です」

「・・・ございます・・」

後ろに立つガルードを気にしながらだったが、普通の挨拶をしてきた。


「たった数日で挨拶できるようになるとは・・・」

「歪んだ教育から物理的に離れましたし、まだ幼い子供ですから、きちんと向き合って話すことから始めましたからね。

 それでも挨拶ができるようになるまでには、いろいろ大変でしたよ」

ガルードが笑いながら教えてくれた。


「おい、がるーど、ちゃんとできたぞ。はやくごほうびをくれ」

「ガイド様、まだお客様の前ですよ、お部屋にもどるまで頑張るお約束はどうしました?」

「あ!」

「さてさて、どうしましょうかね」

 うっかり失敗してしまった第1王子はしょんぼりと下を向いてしまった。

 

アルベルトはそんな第1王子の目の高さにあわせてしゃがんだ。

「ガイド殿下、よく頑張りましたね。挨拶の言葉、しっかり受け取りましたよ」

「ほんとう?」

「ええ、これからもしっかりとご褒美をもらいながら勉強してくださいね」

「うん!「ガイド様?」あ、はい、だった」

しまった、という顔をしながらも、ガルード以外の人物からほめてもらえたことがうれしかった様子が見てとれた。


 ガルードと立ち去っていく第1王子の姿を見て、教育の大切さを改めて思い知ったのだった。


トリニスタン国から出立したが、次の国まではまたしても恐ろしい馬車の旅だ。

馬車酔いに苦しみながらも、ようやく山道から普通のなだらかな道へと入った。

「もうすぐ国境を越えます」ゼフに言われ、馬車の外を見ると、広い平原が広がっていた。


2か国目、ブルッスタン国だ。

トリニスタン国とは違い、なだらかな平原が続く。

農業と酪農が盛んな国だ。

平原にはあちこちに牧場が見え、牛や馬などが放牧されていた。

道路は広くきちんと整備されており、国が裕福であることが肌で感じられた。



 




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